読書漫談

『サクラ大戦 漫画版』第二部の紹介

第一部はこちらをどうぞ→https://gureneko.hatenadiary.org/entry/20130926/1380165723 第1巻 サクラ大戦 漫画版第二部(1) (月刊少年マガジンコミックス) 作者:広井王子 講談社 Amazon 原作ゲーム後半通り、葵叉丹が正月に決起する。 ただし幹部の黄昏の…

かつて批判した『戦争責任論の盲点』の後半部分への二度目の擁護

1.これまでの経緯 かつて『戦争責任論の盲点』の前半部分に100点を与えて後半部分に0点を与えるという、非常に極端な記事を書いた。 この後半部分のうちの日本共産党の戦争責任を論じた部分に関しては、文章が書かれた時代の状況も考えてある程度批判を緩…

さいふうめい原案・星野泰視画『哲也 雀聖と呼ばれた男』の時系列を整理してみた。そして途中で厭になった。

さいふうめい原案・星野泰視画『哲也 雀聖と呼ばれた男』を再読して時系列を纏めてみた。準拠はコミック版である。 ※第1話 昭和19年阿佐田哲也15歳から物語は始まり、昭和20年敗戦時に16歳と明記される。 ※第2話 昭和20年16歳の状態で始まり、「そんなある日…

『サクラ大戦 漫画版』第二部完結を祝う。まさに現代の『南総里見八犬伝』。

サクラ大戦 漫画版第二部(9) (月刊少年マガジンコミックス) 作者:政一九,広井王子 講談社 Amazon 『サクラ大戦』の第一作の内容を非常に丁寧に描いてきた『サクラ大戦 漫画版』が、約20年を費やしてようやく完結した。 まずかつて私が書いた「総論」と「…

生存報告を兼ねて、コンタロウ著『プロレス鬼』の紹介

プロレス鬼 (ジャンプ コミックス) 作者:コンタロウ メディア: コミック コンタロウ著『プロレス鬼』という短編集がある。西暦2021年1月19日現在、「スキマ」などのサイトで合法的に無料で読むこともできる。 本日はこの書の表題作となった短編「プロレス鬼…

【桑田次郎追悼記念記事】 桜井一著・桑田次郎画『完全犯罪ゲーム』(西東社・1985)

後述する面倒な計算をする時間がなくて後回しにしすぎてしまったが、今回は桑田次郎追悼記念記事である。 この『完全犯罪ゲーム』という作品は、運がらみの要素も強く、推理物のゲームブックとしてはつまらない部分もある。 しかしどのページにも必ずしつこ…

一橋文哉著『モンスター』(講談社・2014)の「登場人物関係図」の酷さ

実家で発生した大事件*1の処理に追われ、余生の最大の目的であるはずの西に住む弟弟子への支援が滞りがちである。 それでも僅かな時間を活かして、問題の関連書籍を図書館で大量に借りては読み漁っている。 さて、金を払って一冊ずつ本を買おうとすると立ち…

『新サクラ大戦 the Novel ~緋桜のころ~』を読んだ。

新サクラ大戦 the Novel ~緋桜のころ~ (JUMP j BOOKS) 作者:無義 歩,広井 王子,イシイジロウ 発売日: 2019/12/19 メディア: 単行本 諸般の事情でここ最近事務連絡のような記事ばかり書いていたが、お盆なので限定復活である。死人ですらお盆に復活するのだか…

今の私の境地は錯乱坊そのものだと気付いた。 高橋留美子は天才である。

以前の記事でも書いた事だが、私は理論を中心に仏教を学んでいたら、あるとき食欲以外の欲や負の感情が99%ぐらい減った。 「仏教ではアートマンなんてものを否定し、「自己」と思い込まれているものとは、多数の要素の織り成す一瞬ごとの関係性の総体である…

「醍醐景光」の名と敵大名が「朝倉」である件は、実に秀逸。

アニメ版の『どろろ』第二期については、半年ぐらい前に称える記事を書いたので、そちらを参照されたい。 本日褒めたいのは、「醍醐景光」の名と、敵大名が「朝倉」である件である。 1.まず、主に発音の話 『どろろ』が描いた問題は多々あるが、その中の一…

チェンバレン「不侵略条約? さては侵略する気だな!」 横田喜三郎著『法律つれづれ草』(小学館・1984)

法律つれづれ草 (小学館創造選書 (82))作者: 横田喜三郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 1984/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 九年程前、チェンバレンを擁護し、チャーチルを批判する記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20090927/1…

大川隆法著『生命の法』(幸福の科学出版・2008)は、教団の急激な変質の過渡期の作品である可能性が高い。

幸福の科学は、その振る舞いを遠くから観察していると、フライデー事件で一旦世間一般の平均的な価値観と大きく対立し、その後しばらく大人しくなり、2009年からまた急に政党・学園・大量の霊言の三点で世間と対立を始めたように見える。 ただしこれを内側か…

関白藤原忠通、白象に乗りて暹羅國に攻め入る

『水滸伝』の続編の中では一番面白いと言われる、『水滸後伝』を読んだ。 日本語訳は東洋文庫を使い、原語が知りたくなった時にはこちらのサイト(https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%BB%B8%E5%BE%8C%E5%82%B3)を使った。 長年読まなかったのは、…

岩井志麻子著『十七歳』(徳間書店・2007)を読んだ。著者の長編も読んでいこうと思った。

十七歳作者: 岩井志麻子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2007/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 岩井志麻子氏の『現代百物語』シリーズを読み、自由な長さで書いた作品も読みたくなり、『ぼっけえ、きょうてえ』を読んで感動をしたと…

珠玉のホラー短編集 岩井志麻子著『ぼっけえ、きょうてえ』(角川書店・2002)

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)作者: 岩井志麻子,甲斐庄楠音出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2002/07/31メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 286回この商品を含むブログ (116件) を見る 「岩井志麻子」という作家の名前を知ったのは、彼女の書いた…

幸福の科学の古い本を読んでみた。大川隆法著『幸福の革命』(幸福の科学出版・1998)

幸福の科学への批判者の姿勢は多種多様であるが、元信者の間では「あの教団は、昔はもう少しまともだった」という共通の立場があるようである。これも細かく分けると「昔は良い宗教だった派」と「昔だってかなり悪い宗教だった派」に二分できるのだが、ベク…

一気読みをして真価が理解出来た漫画『ぼくらはバラの子』

ぼくらはバラの子 1 (花とゆめCOMICS)作者: 水森暦出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2013/11/20メディア: コミックこの商品を含むブログを見るぼくらはバラの子 2 (花とゆめCOMICS)作者: 水森暦出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2014/04/18メディア: コミック…

大川隆法著『不滅の法』(幸福の科学出版・2012)と幸福の科学の信者数の話

不滅の法―宇宙時代への目覚め (OR books)作者: 大川隆法出版社/メーカー: 幸福の科学出版発売日: 2011/12/13メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る 幸福の科学という宗教団体は信者数が一千万人以上だと自称しており、会員の中に…

高麗文康『陽光の剣 高麗王若光物語』(幹書房・2013)

陽光の剣 高麗王若光物語作者: 高麗文康出版社/メーカー: 幹書房発売日: 2013/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 高麗郡建郡1300年を記念して、高麗神社の現宮司による小説『陽光の剣 高麗王若光物語』(幹書房・2013)を紹介する。 …

「大川隆法の説法はどれも加筆修正無く書籍化されている」というネット上のデマについて

「狂信」には様々な形態がある。 崇拝対象となったテクストを究極的にまで盲信するのも一種の「狂信」であるが、こういう人の行動の成果は、学者のテクスト研究と限りなく接近していく。清朝考証学や国学の研究成果の一部が、今でもアカデミズムにおいて一種…

日本の人口を根拠に『坂の上の雲』の公式発行部数を疑った大川隆法幸福の科学グループ創始者兼(以下略)

大川隆法著『智慧の法』(幸福の科学出版社・2015)という本を読んだ。 この本の111〜112ページで著者は「『坂の上の雲』もかなりの量ですし、あれが「二千万部近くも売れた」と言われても、日本人の人口を考えると、「本当かな?」という感じも、しないわけ…

続・大川隆法著『西田幾多郎の「善の研究」と幸福の科学の基本教学「幸福の原理」を対比する』(幸福の科学出版・2014)を読んでみた。

西田幾多郎の『善の研究』と幸福の科学の基本教学『幸福の原理』を対比する (幸福の科学大学シリーズ)作者: 大川隆法出版社/メーカー: 幸福の科学出版発売日: 2014/08/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る この文章は、元々は「続・大川隆…

大川隆法著『西田幾多郎の「善の研究」と幸福の科学の基本教学「幸福の原理」を対比する』(幸福の科学出版・2014)を読んでみた。

西田幾多郎の『善の研究』と幸福の科学の基本教学『幸福の原理』を対比する (幸福の科学大学シリーズ)作者: 大川隆法出版社/メーカー: 幸福の科学出版発売日: 2014/08/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 大川隆法著『西田幾多郎の「善の…

近年の幸福の科学で霊言ラッシュが止まらない原因が推測出来る一冊

宗教学者から観た「幸福の科学」 (OR books)作者: 大川隆法出版社/メーカー: 幸福の科学出版発売日: 2014/09/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 幸福の科学という宗教団体は、教祖の大川隆法は霊媒になって霊の言葉を語れるという教義を持ってい…

三好徹著『三国志激戦録』(光文社・2011)に御注意

三国志激戦録作者: 三好 徹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/07/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 三好徹著『三国志激戦録』(光文社・2011)という本を図書館で見かけた。適当に中身を見ると、問題のある記述ばかりが目についた。一応ジャ…

百瀬千代著『ブラスレイター ジャッジメント』(角川書店)全二巻も読んだ

ブラスレイター ジャッジメント (角川スニーカー文庫)作者: 百瀬千代,Niθ,ゴンゾ,ニトロプラス出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/07/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (27件) を見るブラスレイター ジ…

廣瀬周著『ブラスレイター ジェネティック』(秋田書店)全三巻を読んだ。

ブラスレイタージェネティック 1 (チャンピオンREDコミックス)作者: GONZO,ニトロプラス,廣瀬周出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2008/05/20メディア: コミック購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見るブラスレイタージェネティック 2 …

加納京太著『アトランチスの謎』(一二三書房・2013)も紹介する。

アトランチスの謎 復活のザヴィーラ(桜ノ杜ぶんこ)作者: 加納京太,一二三書房,masaki出版社/メーカー: 一二三書房発売日: 2013/08/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 前回(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20140504/1399205865)紹介した…

おかず著『いっき』(一二三書房・2013)は名作!

いっき ーLEGEND OF TAKEYARI MASTERー(桜ノ杜ぶんこ) (桜の杜ぶんこ)作者: おかず,一二三書房,うりも出版社/メーカー: 一二三書房発売日: 2013/07/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る 伝説のゲーム『いっき』が、四半世紀以上の時を経て小…

「平成のアウシュビッツ」だの「平成の強制連行」だのと吠える田母神俊雄の『ほんとうは強い日本』(PHP研究所・2011)

ほんとうは強い日本 (PHP新書)作者: 田母神俊雄出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2011/07/16メディア: 新書 クリック: 17回この商品を含むブログ (2件) を見る 田母神俊雄著『ほんとうは強い日本』(PHP研究所・2011)を読んだ。 この本では、原発事故が起…