幸福の科学の映画『呪い返し師—塩子誕生』の挿入歌『塩子登場のテーマ』の歌詞の時系列の問題

 幸福の科学の映画『呪い返し師—塩子誕生』の挿入歌のうちの一曲である『塩子登場のテーマ』を耳にし、時系列に疑問を持ったので書いておく。なお映画自体の出来や他の歌の出来や『塩子登場のテーマ』の曲の出来については一切論じない。

 この歌詞は、「来るぞ 来るぞ 来るぞ」で始まり、次に「来たぞ 来たぞ 来たぞ」と続く。ここまでは謎の存在が徐々に近づいて来たことを示唆する雰囲気がよく出ており、中々良い。

 そしてその次に「とうとう塩子が」と語られ、近づいて来たものが何であるかが判明する。これも良い。

 ところがこの「とうとう塩子が」に続く述語が「やって来る」なのである。すでに「来た」と三度も語られていた者が、まだ来ていないことにされてしまっている。

 勿論屁理屈をつければ、「「来たぞ」の主体は塩子の先駆の何者かである」とか「「来たぞ」と叫んだ塩子の第一から第三の被害者の数キロメートル遠くにいた第四の被害者が脅えて叫んだのが「とうとう塩子がやってくる」なのだ」とか言い張れない事もないが、そういう無理な解釈の場合は益々詩としての魅力が死んでしまうであろう。


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