『牙狼<GARO>〜魔戒ノ花〜』全話視聴計画(第22〜25話)

第22話 番犬
 エイリスの封印を解いた黒装束の人物が、影の部隊を指揮する「タイシ」であり、クロウの師でもある「邪骨騎士ギル」の毒島エイジだと判明する。
 この設定から、影の部隊の全員がクロウの様な名も明かせない「幻影騎士」という訳ではないという事が判る。
 エイジがエイリスを解き放ったのは、恋人の「アカリ」を復活させるためであったらしい。そのアカリとは、第17話で少年時代の雷牙が遭遇した謎の魔戒法師であった。
 そしてエイリス封印の切り札であるマユリを、エイジが今まで殺しに来なかったのは、マユリの中にアカリの魂を閉じ込めたからとの事である。エイリスによる死者の復活とは、実は単なる肉体の再生を意味しており、魂の保存にはまた別の手段が必要だったらしい。
 第14話で街に出たマユリをじっと見つめていた謎の影の正体も、おそらくはエイジだったのであろう。第13話で月光の儀の準備に彼が出席出来なかったのも、前夜のホラー討伐からずっとマユリを見ていたからであると思われる。
 「ヒロインの中に何者かがいて、それを見守っていた人物が強力な敵だった!」という構成は、初代『牙狼』を思い起こさせる。
 第2話で犯人を魔戒法師と決め付けたクロウの調査は、一応間違いだった事になる。ただしエイジは最後の石板ホラーを捕獲する際に大量の札を利用しているので、榊闘次や布道レオの様に、魔戒法師を兼任する魔戒騎士なのかもしれない。
 エイリスを手中に収めたエイジは、やや御都合主義的に夜の街を歩いていたマユリも捕獲する。雷牙とクロウはエイジの隠れ家を発見するが、二人掛かりでもエイジに歯が立たない。
第23話 追想
 雷牙はクロウにマユリの保護の任務を与え、戦いから離脱させる。
 二人掛かりでもエイジに敵わなかったのに雷牙一人になって大丈夫かと、私は非常に心配した。しかしここから一気に雷牙の逆転劇が始まる。互いに変身するとやはり黄金騎士の方が圧倒的に強く、エイジは屈服し、改心する。
 だがエイリスがクロウの身体に憑依し、開花に相応しい場所を目指して移動を始める。雷牙はそれを追う。
 また、エイジが成功したと思い込んでいた、アカリの魂をマユリに閉じ込める作業が、実は失敗に終わっていた事が判明する。
 私が思うに、エイジはマユリより早く死にそうな病人の中から希望者を募り、まずはその人物で魂の保存の実験をしてみるべきであった。それで失敗したなら、次はかつて邪美の復活に寄与した魔戒樹の活用を考えるとか、色々と試してみるべきであった。
第24話 稀人
 エイリスに憑依されたクロウは、様々なわだかまりを爆発させて雷牙に挑んで来るが、雷牙は誠心誠意の対応でクロウを正気に戻す。
 クロウから離脱したエイリスは覚醒し、巨大な花となり、魔界のホラーを地上に送り出す準備を始める。ギャノンもかつて似た様な事をしていたが、エイリスの場合、送り先はあらゆる時代らしい。
 そして雷牙の両親が行方不明になったのも、この時点のエイリスが過去に干渉したせいであると判明する。
 雷牙はエイリスの内部でエイリスの本体と戦うが、時間を操るエイリスは雷牙の変身時間を吸収し、強制的に心滅獣身の状態にしてしまう。
第25話 天命
 初代『牙狼』で、鋼牙が心滅獣身になってコダマに逆転勝利を収め、その直後に零に鎧を解除してもらった際、私は「こんなに簡単に元に戻れるのなら、どうしても勝てない相手にはいっそ制限時間を守らない方が良いのではないか?」と考えたものである。
 しかし心滅獣身の牙狼の鎧を解除出来る戦闘能力を持っていた零は、魔戒騎士の中でも例外中の例外であったらしく、影の部隊で二番目に強い筈のクロウは心滅獣身牙狼に一方的にいたぶられるだけであった。更に、改心した影の部隊最強の男であるエイジが駆けつけて二人掛かりになるが、それでも鎧の解除に失敗し続ける。
 だが雷牙は最強の牙狼だけあって、心滅を自ら克服し、しかも獣身の力を維持したままという、最強の状態となる。暗黒騎士の力を持った黄金騎士になった訳だ。
 そしてエイリスの花を枯らし、本体も戦闘不能の状態に追い込む。
 この後、更に予想外な事に、マユリは今まで封印してきた石版ホラーをエイリスに向けて射出し、元通りの石版を再現する。
 マユリのスペックではエイリスを封印し切れないかもしれないという話題は何度も出てきたが、こういう解決もあったのかと驚かされた。第14話でエイリスが大人しく封印されずに、ちょこまかと最後の石版ホラーにまで逃げ続けたのは、封印のためには却って好都合だったのかもしれない。
 後半で描かれる後日談もかなり感動的であり、後味が良い作品に仕上がっていた。