第20話 鉄人
前回の予告編で、『鉄人28号』の「善いも悪いもリモコン次第」という言い回しのパロディが使用されていた。そして今回の話の内容は、鉄人を操って人を殺す女子高生の話である。このため、てっきり鉄人自体には意思が無いのだと思い込んでいたのだが、実は鉄人こそがホラー「ドゥオクト」の本体だったので驚かされた。
ドゥオクトは陰我のある人間に憑依するのではなく、無垢な人間の心を燃料にするという、ザルバですら初めて知った珍しいタイプのホラーであった。
クロウは、楽しく普通の生活をしている女子高生を若干羨ましがっているようであった。そして彼は、幻影騎士という立場について「黄金騎士の様に顧みられる事も無く、人知れず闇を刺し、人知れず闇に葬る」と語っている。
初代『牙狼<GARO>』のオープニングテーマにおいては、黄金騎士牙狼について「闇に生まれ、闇に忍び、闇を切り裂く」と描写されていたが、一般人のみならず魔戒騎士業界においてすらその活躍を知られない幻影騎士にとっては、牙狼という存在は羨望に値するに十分な知名度を持っているのであろう。
とはいえ、その影の者達からも孤立して任務を粛々とこなす闇の狩士の存在を知ってしまった今では、余り同情する気になれない。
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ホラー「コギート」は、雷牙の目の前でホラーを食べる。変身後の容姿も魔戒騎士に近く、雷牙も一度はその可能性を疑った。そしてコギートの剣の腕前は、一人で雷牙・クロウの二人を同時にあしらえる程。
こうした様々な特徴から、私はこれは暗黒騎士の再来かと思ったのだが、意外にも登場した回で封印されるホラーであった。
中盤では、コギートを探す雷牙・クロウ・マユリの後ろを、彼等に全く気付かれずに追う黒装束の人物が登場する。第18話で媚空が雷牙の背後をとった件の記憶も新しく、コギートが暗黒騎士である可能性を疑っていた事もあって、私はこの人物を「闇の狩り師ではないか?」と思ってしまった。
だがこの黒装束の人物こそが第1話で石板の封印を解いた人物であり、コギートの体内から飛び出したエイリスの封印も、彼のせいで阻止されてしまう。彼の手裏剣の形はクロウのものと似ており、彼の素顔を見てクロウは驚く。