2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

森のおいも屋さん

世界中の猫が別の世界へと逃げ出してしまった程に暑い暑い日に、私は一匹だけ逃げ損ねた猫と一緒に森へ向かった。私たちは森の奥でおいも屋さんを開きたかったのだ。 緑が私の目を癒したので、私は感嘆した。猫は 「美しく見えるあの繁みだけど、近付くと蚊…

ペリーヌとの偶然の再会

昔、『ペリーヌ物語』という題名の連続アニメーションの後半部分を再放送か何かで観た。それなりに面白かった記憶があるのだが、何が何でも再会したいという程のファンではなかったので、ネットに触れた後も特に検索するでもなく、ほとんど忘れかけていた。 …

数年後に気付いた彼女の事情

私は不愉快な記憶を忘れようとする努力が出来ない人間である。流石に臥薪嘗胆してまで無理に覚える努力もまたしてはいないが、どちらかというと損な性格であると思っている。 だが反芻している内に相手にも三分の理が有った可能性に気付く事もあるので、この…

駅名を簡体字で併記する事の意義とは?

最近、駅名の表記に簡体字が添えられているのを各地で見かける。 しかし「新橋」が簡体字で書く所の「新桥」だと判った所で、当の中国人にはほとんど役に立たない情報ではないかと思われる。 かなり中国語に通じた日本人に偶然遭遇出来れば、「新桥站在哪儿…

仏の人権

ミニ・シンポジウム「礼拝像の生動性をめぐって」(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/ja/yotei/s100516.htm)を聴きに行きました。 主役である講演者のMichele Bacci氏の話も当然面白かったのですが、私が一番興味を惹かれたのは、第二部の鐸木道剛氏…

本気で外国人労働者を追い出したい人に妙策を伝授する。

本日は、本気で外国人労働者を追い出したい人に対し、妙策を伝授しようと思う。無論、完全に合法的なものである。 私は、外国人労働者の人数縮小を目指す人々を、一概に狂信的国粋主義者だと見なす積もりは無い。斯く言う私にも、食堂にて本国と日本の物価の…

自分達で教育機関を創ってしまうという学生運動も在って良いと思う。

大学から退学処分を受けた学生達が、「学生こそキャンパスの主役であるべき!」みたいな意味のスローガンを使って処分の撤回を目指す抵抗運動をしているのを、最近見かけた。 本稿はその戦い方を否定するのが目的という訳ではない。ただ、「大学はもう一度私…

沖縄県民に対し今年中に特別の御高配を賜らんことを!

戦時中に国内の全地域が平等に犠牲を負担するのは不可能な話である。無理にそれを目指した場合は、作戦の幅が非常に狭まるであろうし、侵略戦争が防衛戦争より素晴らしいという主張に勢いを与えかねない。 だが戦争が終わった後は、犠牲が少なかった地域の負…

『クロッシング』を観て、「善意」についてあれこれ考えた。

『クロッシング』は、脱北者とその家族を描いた映画である(参照→http://www.crossing-movie.jp/index.html)。本日の午前に私はこれを観てきた。 まず、主人公親子の善意が裏目に出続けた事に気付いた。 主人公は北朝鮮で育った、優しいが単純な男である。…