2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山岡荘八の『徳川家康』を読破

当時「世界一長い小説」の記録を更新したという、山岡荘八の『徳川家康』を読破した。古本屋で入手した、一冊四百円だった頃の版である。 この小説の主題は「平和」である。そしてそれを実現するために、より広い視野を持とうと努力した者に、自然と天下人の…

平穏無事な生活

健太君が18歳になった日、天魔が祝福にやってきて、健太君の望みを一つだけ叶える手伝いをしてやると言いました。健太君は答えました。 「悪人からの干渉を受けず、日々平穏無事に暮らして一生を終えたいものさ。」 と健太君は答えました。すると天魔は手を…

濤川栄太著『理想の日本人』(中経出版・2007)

理想の日本人作者: 濤川栄太出版社/メーカー: 中経出版発売日: 2007/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文章力1 独創性1 個人的共感1 本書の最大の特徴は、同じ様な内容の話があたかも初出であるかの様な筆致で繰…

時勢の変化に鈍感であると大声で告白する人々

もしも飲酒運転で有罪判決を受けた若者が、老裁判官に向かって、「お前達の若い頃はもっと罰が軽かったはずだぞ!」と吼えても、まず誰も共感しないであろう。 ところが国家の行為に関しては、国際法における条約・慣習の変化を度外視して、前述の若者めいた…

サントリーホールにて

ここ最近の私はかなり体調が悪く、色々な御誘いを泣く泣く断ったり、楽しみにしていたイベントに足を運べなかったりという日々が続いていました。 本日は久々に体調が良く、知人と一緒にサントリーホールのオルガン プロムナードコンサート(http://www.sunt…

金田一春彦著『ホンモノの日本語を話していますか?』(角川書店・2001)

ホンモノの日本語を話していますか? (角川oneテーマ21)作者: 金田一春彦,小島武出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2001/04/09メディア: 新書 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文章力1 独創性2 個人的共感1 まず題名…

警察は、生きて虜囚の辱を受けられない。

私は、もしも例えば外国人等から「自衛隊は軍隊か警察か?」と聞かれたら、マークシート等の徹底した二択であれば「軍隊」の方を選ぶであろうが、会話等であれば「発足以来徐々に軍隊としての側面が強くなっていった組織だ。現在ではどちらかと言うと軍隊だ…

きまいらこわい

ある日、辰さんの長屋の大家さんが、居住者を集めてこんな質問をしました。 「おい、お前達が一番怖いものをそれぞれ教えてくれ。」 最初に答えたのが松さんです。 「俺は饅頭だな。美味しくてつい食べ過ぎてしまい、結局自分の腹部が饅頭みたいになってしま…

北東アジアのバベルの塔

昔々、津田左右吉という「国粋主義的」な学者がいました。彼は、日本文化に対する中国文化の影響力を当時の常識と比較して過小に評価し、認めざるを得なかった僅かな影響については今後徐々に廃棄していこうと提案したそうです。 しかしながら彼を排斥した「…

私が多大な影響を受けた本(1)――呉智英著『読書家の新技術』(朝日新聞社・1987)

読書家の新技術 (朝日文庫)作者: 呉智英出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 1987/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (53件) を見る 私はこの本の著者である呉智英から、思想的影響はほとんど受けなかった。なにしろ彼は、大日…

落選という政治的責任

政治家の失政や汚職が明るみになった際、当該政治家本人や所属政党の次に批判されるのが選挙民であるという風潮がある。 悪や無能を見抜けずに投票してしまった個々人が内心深く反省するのであれば、これは大変な美徳であると私も思う。しかしながら、「あん…

話題の田母神論文を読んでみた。

最近、民間の懸賞論文に応募したとして航空幕僚長が解任された。 昨日私は問題の論文がネット上で公開されていると聞き、実際に全文を読んでから評価を下してみた。 以下は、現在このページ(http://www.apa.co.jp/book_report/)から行けるこのテキスト(ht…

公開セミナー「バイオエネルギーは地球を救うか」

第35回東京大学農学部公開セミナー(http://www.a.u-tokyo.ac.jp/seminar/seminar.html)に行ってきました。 文化の秋ならではの現象なのか単なる偶然なのかは判りませんが、今日は行きたいイベントの多い日でした。なんとこのセミナーと同じ大学の中だけで…