2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

物流で読み解く、ポルトガ王の真意

『ドラゴンクエスト3』では、世界中のほぼ全ての都市で武器・防具の値段・品質が同じである。 アリアハンによる世界統治は既に過去のものであるし、アッサラームで独自の詐欺的な商売を行っている二人の商人が処罰を免れている事から考えるに、これは権力に…

ラダトーム王が武器屋に潜伏した真の理由

昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110326/1301134909)で、『ドラゴンクエスト3』の魔王軍の侵略の手口が前二作と比較して独特である事を強調した。そして、ハーゴンもまた当初はバラモスと同じ手口を用いようとしていた形跡があると、私は見…

何故サマンオサ王は投獄されるだけで済んだのか?

『ドラゴンクエスト3』の魔王軍の侵略の手口は、前二作とは異なり、自派の怪物を世界中の要人に変身させて成り代わらせた後に悪政を敷かせる、というものであった。ゲーム中の情勢を見るに、世界各国が孤立主義を採用している一方、いざとなれば諸国が簡単…

松陰神社と豪徳寺

東急世田谷線の沿線には、吉田松陰の墓もあれば、井伊直弼の墓もあります。悪趣味というべきか公正というべきか節倹というべきか、本日私は両方を参拝する事を目指しました。 まずは松陰神社。大地震のせいで入り口にある大きな鳥居が接近禁止になっていまし…

災害時の値上げで救われる弱者もいる

以前、長年世間知らずだと見做して馬鹿にしていた某図書館の長が、実は自分よりも社会的弱者の事情を知っていた可能性が高いという事に気付いたので、大いに恥じ入った、という話を書いた(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20100522/1274515658)。 本…

中世キリスト教世界における籤の評価に関する疑問――十三番目の使徒は籤で選ばれたのだが・・・

十日程前、安藤洋美著『確率論の黎明』(現代数学社・2007)に関する日記(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110303/1299090957)を書いた。 中世キリスト教世界で籤引きが野蛮・不敬な行為として認識された原因は、イエスの処刑に際して行われた籤引きにあ…

冥途の飛脚

東京都写真美術館で映画『文楽 冥途の飛脚』(http://bunraku-movie.com/)が上映中です。今週のある日に、私も観てきました。 外国人の監督が外国人向けに撮影した作品である事と、実演と比較しての料金の安さから、観賞前は入門者向けのイベントだろうと想…

あのシンポジウム荒しがまた出たぞ!

昨日は東京大学国際高等研究所設立記念一般講演会「宇宙はどこまでわかったか?」(http://www.ipmu.jp/ja/node/962)に行きました。そしてここでも、象のオープンセッション(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110210/1297337584)や脳科学のシンポジウム…

『「マルクスは生きている」公開連続セミナー講演録』とその用途について

不破哲三氏の『「マルクスは生きている」公開連続セミナー講演録』(2010)というパンフレットが、去年から一部の大学で入学試験の前後に民青同盟によって大々的に配られている(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110224/1298559485)。巻末の「民青メ…

脳科学と科学技術コミュニケーション――シンポジウム荒しとの再度の遭遇

昨日は、脳科学と科学技術コミュニケーション(http://science-interpreter.c.u-tokyo.ac.jp/generalpublic/2011/02/5.html)に行きました。一晩経ったせいでかなり忘れているのですが、更に忘れるという事態を避けるため、覚えている事をここに書いておきま…

江戸時代の『スーパーロボット大戦』

唐沢俊一検証blogの昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20110304/1299207330)で少々気になった箇所を見つけたので、本日はそれに関する記事を書こうと思う。 kensyouhan氏によると、唐沢俊一氏は鶴岡法斎氏との共著である『ブンカザツロン』…

葛兆光教授講演会 「“中国”とは何処か?」

東京大学東洋文化研究所に、「“中国”とは何処か?」という講演会(http://www.asnet.dir.u-tokyo.ac.jp/zh-hans/node/7044)を聞きにいきました。 東洋文化研究所という場所と、この講演会の題名から、私は参加するまでは、てっきり講演者は『『春秋』と『左…

「X学史」ではなく、「X学と史学」

本日は、安藤洋美著『確率論の黎明』(現代数学社・2007)という本を読んで考えさせられた事を、同書の紹介を兼ねて語ってみたい。 私は同書を、一応は「良書」の部類に入ると評価した。 まず、確率論史の本はルネサンス以降の歴史のみを描いたものが多いの…