東京都写真美術館で映画『文楽 冥途の飛脚』(http://bunraku-movie.com/)が上映中です。今週のある日に、私も観てきました。
外国人の監督が外国人向けに撮影した作品である事と、実演と比較しての料金の安さから、観賞前は入門者向けのイベントだろうと想像していました。実際には、昔の人間国宝が大量に登場している一方で、画質がかなり劣化していたので、どちらかというと文楽に思い入れの深い人向けのイベントでした。
この映画では新口村の段の太夫を務めていた竹本文字大夫(現 竹本住大夫)氏の苦労話を、二年程前に『サライ』で読んだ記憶があります。兄弟子からの嫌がらせの話等は、読んでいるだけで辛く感じたものです。
私自身も、以前ある伝統芸能に趣味で入門した時、サイコパスである可能性が高い姉弟子から常軌を逸した嫌がらせを受け、精神が不安定になった事があります。その他、時津風部屋力士暴行死事件等の例に想いを馳せると、我々が日本の伝統芸能を観賞して得ている快楽の裏には、実は巨大な屍山血河が存在しているという事実に向き合わされます。
幾多の実験を経て進化してきた人材育成の一種の伝統なのかもしれませんが、科学や教育学の進歩によって、いつかは代替手段が発見されて欲しいものです。
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