2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

景初二年の外国人公務員

金文京著『三国志の世界』(講談社・2005)では、卑弥呼・波調に送られた称号である「親魏倭王」・「親魏大月氏王」の「親魏」の部分が強調されていた。そして、魏帝国の内部にある王国の君主ではなく、魏の外部にあって魏と親しい王国の君主だと見做した、…

宝亀十年のマッカーサー

長年東アジアにおいては、黄河や長江の流域を制した政権の長が全世界を統治しているという擬制にこだわり、周辺勢力も力の無い時期にはそれに付き合ってきた。 北方の諸民族が隙あらばその地位の獲得に挑戦したのに対し、ベトナムや日本等の地域では密かに中…

正統性の低さの逆用

朝鮮の民話を調べ始めた頃は、太祖李成桂の評判の悪さに驚いたものである。王朝の初代への風刺がよくもまあ数百年間密かに語られ続ける事が出来たものだと思ったものである。 しかしながらその後も李朝の歴史を調べ続けるにつれ、李成桂批判は意図的に黙認さ…

事業仕分けと天皇機関説

事業仕分けで、多くの研究が潰されかかっている。 この波に憤慨している研究者達を見ると、抵抗の仕方が下手な人が多いという感想を持ってしまう。別にそうした傾向を批判する積もりも無いが、勿体ない事だとは思ってしまう。 まずは自分の研究が如何に世の…

里見紝を読み始めた。まず『ひえもんとり』から。

二年程前の事だったと思うのだが、谷崎潤一郎による文学論を読んだ。その中で妙に高い頻度で「里見紝」が名指しで批判されていたのが気になった。恥ずかしながら聞いた事の無い名前であったからである。ともかく、同時代には大物として通用したものの後世に…

衆議院議員総選挙が生んだ二頭の亢龍

『周易』の「乾」の卦に、「亢龍有悔」という句がある。分不相応に台頭し過ぎてしまう事を戒めているとする解釈が多い。 例えば、もしも外国人力士達がいなければ、魁皇は横綱に祭り上げられた挙句、早々と引退させられていただろう。「亢龍」の一歩手前の「…

今こそ「多芸入試」を!

以前紹介した、「長方形」という言葉を知らない中学三年生(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20091220/1261255932)と再会した。そしてその子が、「直角」という言葉を知らない事と、数学も計算問題は普通に解けるという事を、新たに知った。これで私は…

「入れ墨お断り」と無制限との間に、無限に近い数の選択肢が在る筈だが・・・

温泉やプール等における「入れ墨お断り」等の規則が人権侵害か否かについては議論がある。最近その種の規則を無視した人物が逮捕されたため、ネット上では大いに議論が盛り上がった。 今回の記事では、その論争には直接的に関わる積もりは無い。一応議論がよ…

初めて「はてな」のキーワード及びブックマークに手を出してみた。

はてなキーワードの「外国人参政権」の項目を編集してみた。 と言っても、このページ(http://d.hatena.ne.jp/keywordlog?klid=1140318)の下の方にある「編集内容」を見ての通り、明らかに間違っていた助詞を一字変えただけである。 座視出来なかったので直…

排外主義的世界観を持つ人の中から外国人参政権賛成派が出てこないものか?

参政権は革命権を吸収する。参政権を与えるという決定は、それまで武力革命を目指していた人々の多くに方針の転換を促し、その後に武力革命を起こした連中から正当性を奪うのである。 「完全に有能で公平な独裁なら、確かに民主主義より効率が良い。」と思っ…

「無神教」・「確率教」・「不可知教」が在っても良いと思う。

無神論者の多くは、自己の奉じる教義に自信が有りすぎるせいか、それを「宗教」とは見做さない傾向が強い。また異教に寛容な有神論者の多くも、無神論だけは宗教ではないと見做す傾向がある。 果たして無神論はそんなにも特殊な立場なのだろうか? 例えば、…

納豆蕎麦「水戸黄門」

新潟で「へぎそば」を食べて以来(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20090920/1253372507)、すっかりその味に参ってしまい、購入する蕎麦の大半がへぎそばになりました。 先日冷蔵庫に納豆が余っていたので、実験的に納豆蕎麦にしてみたのですが、これ…

『唐沢俊一検証本VOL.2』を入手

以前紹介した唐沢俊一検証本(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20090908/1252347436)の第二巻を中野で入手してきた。 外観はkensyouhan氏の12月27日の日記(http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20091227/1261892289)の写真にある通り漆黒であったため、積み…

日本の涸沢の蛇は数え切れないのが特徴である。

数年前、「師匠」と普段から呼び掛ける人と共にセミナーに出席する事になった私は、場違いな程の正装をした。師匠は私に聞いた。 「なんで正装なんですか?」 「師匠を辱めないためです。」 「私は平服ですがねぇ。」 「その対比が面白いんですよ。」 「結局…