2008-01-01から1年間の記事一覧

年神と教皇と天皇と中華皇帝

昨晩、住宅街を歩いていると、既に正月の飾り付けをなし終えた玄関を数多く見かけた。 日本の年神が異教の教皇が制定したグレゴリオ暦に従って死と再生とを行っているかと思うと、なかなか面白い図式である。 暦法の継受は近代以前にも数度もあった事なので…

ニュースの誤報道は謝罪だけでなく訂正もして欲しい。

先程「NHKニュース7」を視ていたら、バラク国防相の発言の字幕が間違っていたという謝罪が突如行われた。 しかし残念な事に、どの部分が間違っていて正しくはどうであったのかという話は出なかった。 訂正のための原稿を即座に用意するのは確かに難しいであ…

「『細かいのありませんか?』と聞かない従業員ありませんか?」

店で「細かいのありませんか?」と聞かれる度に非常に腹立たしい気分になる。強盗ではあるまいし、他人の財布の中身を忖度するのは非礼極まりない。 お釣りの硬貨にも事欠く有様であるのなら、「ただ今硬貨が不足しております。お客様のご協力をお願い申し上…

壮大なる挑戦か?単なる駄作か?

永井泰宇の作品に『39』という題名の三部作がある。発表当時は話題にもなり、映像化もなされたらしい。本日はこれを紹介したい。 まずは第一作から。39 刑法第三十九条 (角川文庫)作者: 永井泰宇出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2000/12メディア: 文庫購入…

辛淑玉著『怒りの方法』(岩波書店・2004)

怒りの方法 (岩波新書)作者: 辛淑玉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/05/20メディア: 新書 クリック: 14回この商品を含むブログ (24件) を見る評価 知識2 論理1 品性1 文章力2 独創性2 個人的共感1 44・45ページに面白い話が載っている。まず著者に教…

岸田秀著『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』(新書館・2007)

嘘だらけのヨーロッパ製世界史作者: 岸田秀出版社/メーカー: 新書館発売日: 2007/02メディア: 単行本 クリック: 232回この商品を含むブログ (30件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文章力2 独創性1 個人的共感1 『黒いアテナ』という書籍とそれをめぐる論争の…

「1930年代・東京―アール・デコの館(朝香宮邸)が生まれた時代」に行ってきました。

東京都庭園美術館の開館25周年企画(http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/1930/index.html)を観に行きました。 体調のせいで何度も同行を延期してもらっていた知人との約束だったので、本日もかなり不調だったのですが、無理して行きました。 最…

山岡荘八の『徳川家康』を読破

当時「世界一長い小説」の記録を更新したという、山岡荘八の『徳川家康』を読破した。古本屋で入手した、一冊四百円だった頃の版である。 この小説の主題は「平和」である。そしてそれを実現するために、より広い視野を持とうと努力した者に、自然と天下人の…

平穏無事な生活

健太君が18歳になった日、天魔が祝福にやってきて、健太君の望みを一つだけ叶える手伝いをしてやると言いました。健太君は答えました。 「悪人からの干渉を受けず、日々平穏無事に暮らして一生を終えたいものさ。」 と健太君は答えました。すると天魔は手を…

濤川栄太著『理想の日本人』(中経出版・2007)

理想の日本人作者: 濤川栄太出版社/メーカー: 中経出版発売日: 2007/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文章力1 独創性1 個人的共感1 本書の最大の特徴は、同じ様な内容の話があたかも初出であるかの様な筆致で繰…

時勢の変化に鈍感であると大声で告白する人々

もしも飲酒運転で有罪判決を受けた若者が、老裁判官に向かって、「お前達の若い頃はもっと罰が軽かったはずだぞ!」と吼えても、まず誰も共感しないであろう。 ところが国家の行為に関しては、国際法における条約・慣習の変化を度外視して、前述の若者めいた…

サントリーホールにて

ここ最近の私はかなり体調が悪く、色々な御誘いを泣く泣く断ったり、楽しみにしていたイベントに足を運べなかったりという日々が続いていました。 本日は久々に体調が良く、知人と一緒にサントリーホールのオルガン プロムナードコンサート(http://www.sunt…

金田一春彦著『ホンモノの日本語を話していますか?』(角川書店・2001)

ホンモノの日本語を話していますか? (角川oneテーマ21)作者: 金田一春彦,小島武出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2001/04/09メディア: 新書 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文章力1 独創性2 個人的共感1 まず題名…

警察は、生きて虜囚の辱を受けられない。

私は、もしも例えば外国人等から「自衛隊は軍隊か警察か?」と聞かれたら、マークシート等の徹底した二択であれば「軍隊」の方を選ぶであろうが、会話等であれば「発足以来徐々に軍隊としての側面が強くなっていった組織だ。現在ではどちらかと言うと軍隊だ…

きまいらこわい

ある日、辰さんの長屋の大家さんが、居住者を集めてこんな質問をしました。 「おい、お前達が一番怖いものをそれぞれ教えてくれ。」 最初に答えたのが松さんです。 「俺は饅頭だな。美味しくてつい食べ過ぎてしまい、結局自分の腹部が饅頭みたいになってしま…

北東アジアのバベルの塔

昔々、津田左右吉という「国粋主義的」な学者がいました。彼は、日本文化に対する中国文化の影響力を当時の常識と比較して過小に評価し、認めざるを得なかった僅かな影響については今後徐々に廃棄していこうと提案したそうです。 しかしながら彼を排斥した「…

私が多大な影響を受けた本(1)――呉智英著『読書家の新技術』(朝日新聞社・1987)

読書家の新技術 (朝日文庫)作者: 呉智英出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 1987/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (53件) を見る 私はこの本の著者である呉智英から、思想的影響はほとんど受けなかった。なにしろ彼は、大日…

落選という政治的責任

政治家の失政や汚職が明るみになった際、当該政治家本人や所属政党の次に批判されるのが選挙民であるという風潮がある。 悪や無能を見抜けずに投票してしまった個々人が内心深く反省するのであれば、これは大変な美徳であると私も思う。しかしながら、「あん…

話題の田母神論文を読んでみた。

最近、民間の懸賞論文に応募したとして航空幕僚長が解任された。 昨日私は問題の論文がネット上で公開されていると聞き、実際に全文を読んでから評価を下してみた。 以下は、現在このページ(http://www.apa.co.jp/book_report/)から行けるこのテキスト(ht…

公開セミナー「バイオエネルギーは地球を救うか」

第35回東京大学農学部公開セミナー(http://www.a.u-tokyo.ac.jp/seminar/seminar.html)に行ってきました。 文化の秋ならではの現象なのか単なる偶然なのかは判りませんが、今日は行きたいイベントの多い日でした。なんとこのセミナーと同じ大学の中だけで…

富野由悠季著『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈上〉 (角川文庫―スニーカー文庫)作者: 富野由悠季,美樹本晴彦出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 1989/02/13メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 39回この商品を含むブログ (54件) を見る閃光のハサウェイ(中) 機動戦士ガ…

インテリへの最大の嫌がらせ【理論編】

インテリへの最大の嫌がらせは、話の通じない人間を意図的に装い、しかも一見しただけではその異常性が目立たない程度には人間性を保った上で、目の前で触法しない範囲で暴れてみせる事だろう。 これはまず、人間と言う種全体への侮辱になる。「貴方は偶然賢…

コンビニのレシート

コンビニで買い物をする時、レシートを渡そうとしない従業員にしばしば出くわす。これはやめて欲しいと心から思う。まずは渡すのを原則とし、レシートが要らない人のためには専用のレシート捨て箱でも置けば良い。 特に今後はそれを周知徹底して欲しいもので…

『改訂版 21世紀のジェンダー論』(晃洋書房・2004)

21世紀のジェンダー論作者: 池内靖子,二宮周平,姫岡とし子出版社/メーカー: 晃洋書房発売日: 2004/07/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る 当ブログが開設当初から深く交流させてもらっている「姫津の図書館(http://d.haten…

ミレイ展♪

渋谷文化村のミレイ展(http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_jemillais/index.html)に行ってきました。 昼食はドゥ・マゴ(http://www.bunkamura.co.jp/restshop/magots/index.html)でミレイ展開催記念メニュー(http://www.bunkamura.co.jp/shos…

制限選挙を次善の策として評価したいのだが・・・

普通選挙は確かに素晴らしいと思うのだが、普選でなければ選挙でないという最近の風潮には、ちょっと問題があるのではないかと思う。 独裁から普通選挙に至るまでの過渡期として制限選挙を高く評価する国際的風潮があれば、独裁国の指導者層も気軽に漸進的な…

最強の毒見役

古い話になるが、2000年問題に際し、中国では航空会社の幹部は2000年1月1日に飛行機に乗る事を義務付けられたと聞く。 日本政府がこうした試みをそのまま真似するという事態は望ましくないが、日本の企業は自発的に大いに参考にして欲しいものである。 イン…

小樽ぶらり旅

まず市立小樽文学館(http://www.city.otaru.hokkaido.jp/kyouiku/bungaku-kan/bungaku.htm)に行きました。数十年前に創られた中学校を思い起こさせる、壁面にはひび以外の何等の装飾も無い古びたビルの二階にありました。少々不安を覚えましたが、入場して…

無礼の理由

これは童話の形式で発表しようかとも迷ったの話なのだが、まずは雑談にしてみた。 最近、私の知り合いのブログが自分のブログまで持っている固定ハンドルネームの特定個人によって荒らされ続けるという、やや珍しい事件があった。これを機に、「礼」について…

はまなすの丘公園・モエレ沼公園

はまなすの丘公園に行ってまいりました。 植物保護のため、こういう細い道をどこまでも進むのです・・・。 学者が見ればまた違った感想が生まれるのかもしれませんが、私には荒涼としている様に見えます。その中で必死に生きている花が健気です。 何と言う茫…