はまなすの丘公園・モエレ沼公園

 はまなすの丘公園に行ってまいりました。

 植物保護のため、こういう細い道をどこまでも進むのです・・・。

 学者が見ればまた違った感想が生まれるのかもしれませんが、私には荒涼としている様に見えます。その中で必死に生きている花が健気です。

 何と言う茫漠たる景色でしょう。陸と空との間に海も少しだけ写っています。
 水木しげるの描く地獄の風景や、ウェルズの『タイムマシン』の終盤に描かれた超未来の地球を想起させられました。そして何より、私がしばしば思い描く心象風景に酷似しています。

 本郷新の「無辜の民」です。自動車では行けず、道路とここへ行くための獣道との分岐点に駐車スペースもありません。草をかき分けてようやく辿り着くと、悲しい彫刻がひっそりと横たわっているという仕組みです。

 たっぷり虚無感を楽しんだ後は、気を取り直してレストラン「オールドリバー」へ。

 ウニまで入っている、最強の海鮮ラーメンです。

 午後はモエレ沼公園へ。
 この公園全体がイサム・ノグチの芸術らしいのです。建物から小道まで、確かに芸術性を感じさせられました。私にもう少し美学の、それも数学的知識があったならば、より深く設計者の意図を理解し、楽しめたのではないかと残念な気分にもなりました。

 ガラスのピラミッドは入口が中々見当たらず、一周させられてしまいました。苦労の後でようやく入ってみると、あまり面白くなかったです。
 カフカの『城』は未完だからこそ名作、というより、未完以外の完結がそもそも有り得ないのでしょうね。

 無限の空間に申し訳程度の障害物を無理に設置した感があります。大昔のコンピューターに描かれた仮想空間を想起させられ、一種のノスタルジーを感じました。

 こういう空間を堪能出来るというのは、色々な意味で非常に贅沢な話だと思います。

 もう少し滞在していたら、感動のあまり精神に変調を来たしていたかもしれません。そのまま帰って来なかった可能性もあります。

城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)