2008-01-01から1年間の記事一覧

朝日新聞は中国人被害者にも目を向けよ!

本日の天声人語は、中国における「青苕」だの「松坂牛」だのといった卑怯な商標登録申請を「ブランドただ乗りのあこぎな商魂」と批判し、防戦に追われる日本の自治体を被害者として紹介するという内容であった。 私も特に異論はない。しかしこれだけでは姿勢…

ヒトさんとブタ君とイヌ君

ある家で、ヒトさんとブタ君とイヌ君の三匹の動物がとくひつすべき対立も無く暮らしていました。 ところがある日、ヒトさんは屋外でイノシシ君に色々と酷い目に遭わされました。ヒトさんはイノシシ君に直接復讐するだけの度胸が無かったので、イノシシ君の親…

濤川栄太著『戦後教科書から消された人々2』(ごま書房1997)

戦後教科書から消された人々〈2〉作者: 濤川栄太出版社/メーカー: ごま書房発売日: 1997/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文章力1 独創性1 個人的共感1 題名が内容と一致していない事を著者が21ページで素直に認…

濤川栄太著『戦後教科書から消された人々』(ごま書房・1996)

戦後教科書から消された人々―孝養・忠義・勤勉・節約・我慢……が、なぜ誰によって否定されたか作者: 涛川栄太出版社/メーカー: ごま書房発売日: 1996/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る評価 知識1 論理1 品性1 文…

信長と宗教団体

私の見聞が狭いせいかもしれないが、信長が登場する時代劇では、延暦寺や本願寺といった信長に敵対した宗教団体は、被害者として扱われる場合が多く、そうでなくても悪役になる事はまずない。原作となった小説で如何に多くの生臭坊主が登場していても、やは…

札幌市街

突然ですが、赤レンガで有名な北海道庁を訪れました。 一般公開されており、中はさながら北海道史の博物館でした。 周辺諸国からも観光客が多数来る様で、パンフレットは日本語・繁体字・簡体字・ハングル・英語・ロシア語といった各種言語によるものが取り…

伊豆旅行記録

伊豆に行ってきました。 まずは品川駅の新幹線改札付近の喫茶店で腹ごしらえ。この喫茶店は六時に開店だったようです。開店直後に買ったパンは、焼きたてで香ばしかったです。早朝に東京を発つ場合には、是非ともお奨めしたいお店です。 熱海で途中下車をし…

毎日新聞の悲劇

二ヶ月ほど前、毎日新聞の英語版サイトの低俗記事が社会問題となった。問題となったコーナーは2001年から続いていたらしい。何故こうも取り返しがつかない程に発覚が遅れたのか? 私は、毎日新聞が批判対象として扱われる事が少ないのが原因だと思う。 稲垣…

新宿御苑に行ってきました。

啓蒙専制君主「今まで庭園は王侯に独占されてきた。そこで私は社会の全ての構成員に庭園の楽しみを分かち与えたい。名付けて『公園』である。」 貴族達「我々が平民と雑居する施設ですと?ふん、御免蒙りたいものですな。」 啓蒙専制君主「ほう、人は身分を…

西武池袋本店の夏の古本まつり

https://www2.seibu.co.jp/wsc-customer-app/page/010/dynamic/information_details/InformationDetails?info_seq=N000023743 私は、デパートで行われるこの種のイベントに足を運ぶ事はめったにありません。大概、目玉が飛び出る様な値段の稀少本や、本当に…

中野区 平和の森公園

数日前、中野区の平和の森公園に行ってきました。 特に原子爆弾を意識した日程を組んだ訳ではないのですが、区が広島市から譲り受けた大石等もあり、改めて平和について色々と考えさせられました。 その日もかなりの猛暑だったのですが、やはり空間がひらけ…

誰に投票したかは秘密にしておきたい私

私は、選挙の前に友人から「誰に投票するつもりか?」と聞かれると、しっかり答える場合が多い。しかし、選挙の後で「誰に投票したか?」と聞かれても、一度も答えたことがない。 憲法第15条が保証する秘密投票は、権利であって義務ではないので、この態度を…

記号問題擁護(特に国語)

このブログでは、今まで数冊の矛盾だらけの本を紹介した。 この種の本を読む度にいつも不思議に思っていたのは、何故そんなものに騙される読者が後を絶たないのかという事である。 嘘を見抜けないのは仕方が無い。これは知識が無いと見抜けない。かく言う私…

市民としてのささやかな自己満足

私は募金をした事がほとんどない。最近よくマスコミ等で告発されているように、自分の募金が何に使われるか知れたものではないからだ。 ただし、小額の金を犠牲にして正義感を満たす活動をやってないわけではない。 悪徳が発覚した企業から、少なくとも一年…

ゆりかもめ批判

本日は「ゆりかもめ(http://www.yurikamome.co.jp/)」を批判したいと思う。 私はこの路線を何度か利用しているし、存在自体には感謝している。 しかし、二人ずつ向かい合って座る四人席が、乗る度に気になるのである。このタイプの席は今時田舎でも流行ら…

たまには時事的な話題を書いてみる。

開設以来、時事的な話題の無かった当ブログであるが、初挑戦してみる。サミットについて語ってみたい。 世に「バジョットの法則」なるものがあるらしい。「らしい」と書いたのは、未確認情報だからだ。バジョットなる人物が英国政治の歴史を概観して発見した…

丸山眞男の『「文明論之概略」を読む』を読む

文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325)作者: 丸山真男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1986/01/20メディア: 新書購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (30件) を見る「文明論之概略」を読む(中) (岩波新書)作者: 丸山真男出版社/メーカー:…

書籍の内容偽装問題

ここ数年間の日本は、耐震偽装や食品の生産地・賞味期限偽装問題に揺れ続けた。日本人の道徳性が地に墜ちたが故の傾向ならば、日本ももうそろそろ終わりである。しかし過去から行われ続けていた悪事が、科学の発達と経験の蓄積による警察の捜査力とマスコミ…

純粋な友情

何日か前、昔の知り合いと電話をした。相手は、私の態度が昔と比較して好意的でないから不快であるという理由で絶交を宣言してきた。私は態度を変えたつもりは無かったので、それから数日の間気分が悪かった。 しかし落ち着いて自分の感情を分析してみると、…

幽霊はここにいる

幽霊はここにいる・どれい狩り (新潮文庫)作者: 安部公房出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1971/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 安部公房の戯曲に『幽霊はここにいる』という作品がある。 霊が見えると称する男の言動が、周囲の意思によ…

フランス高等教育・研究大臣 講演会

サルコジ政権の最年少大臣であられる、ヴァレリー・ペクレス高等教育・研究大臣(http://japon.campusfrance.org/IMG/pdf/_x_.pdf)の講演会に行ってまいりました。 かなり早めに会場に着いてしまい、関係者以外では私が最初だったようです。御蔭で、一般来…

少しはロマンも必要だと思った瞬間

戦争にも反戦にも美学があり、少なくない数の人たちが、そのどちらか一方を非常に大切にしている。 私は、時として彼等に尊敬の念を抱きつつも、彼等のどちらか一方だけが台頭する事を酷く怖れていた。出来れば互いに潰し合って欲しいとすら思っていた。 反…

湯河原・小田原旅行記

温泉旅行に行ってきたので、記録や旅の途中の思索等を書き連ねようと思います。 まずは品川名物品川蕎麦で腹ごしらえ。 と言っても駅の中のチェーンの蕎麦屋なので、店員は品川蕎麦の事なんて何も知りません。同じ具をうどんにも乗せられる制度になっていた…

ミーガン法を目指す勢力の不手際

所謂ミーガン法とは、アメリカのほぼ全ての州で成立した、性犯罪者の情報公開制度の事である。最近では類似の制度を作る国も出てきた。 日本でもミーガン法の様な制度を作ろうと努力している勢力があるが、未だ多数の支持を得ていない。 私自身は、支持者で…

橋爪大三郎著『政治の教室』(PHP研究所・2001)

政治の教室 (PHP新書)作者: 橋爪大三郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2001/10メディア: 新書購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (18件) を見る評価 知識1 論理1 品性2 文章力1 独創性2 個人的共感1 まず文体についてだが、同じ段落の中にお…

日本共産党の戦略的撤退がもたらすもの

財政難からか、かつてほぼ全ての選挙区に独自の候補を出馬させていた日本共産党が、勝ち目の薄い戦いへの参加を見合わせ始めている。 この傾向がもたらす影響につき、マスコミは国政選挙の旧共産票の行方に関しての分析に多くの力を注いでいるようだ。 それ…

高木敏雄著『日本神話伝説の研究』(荻原星文館・1943)

古本屋で『日本神話伝説の研究』なる書籍を見つけた。1943年9月の発行であった。 序文は柳田国男が担当しており、大正十四年の日付が記されている事から、元々は別の出版社で出したものの様である。 その序文に、以下の様な記述を発見した。なお、漢字は新字…

植民地の正当化が切り開くもの

昔、ある平和主義的な学者から、インド独立がもたらした民衆の辛酸を強調した研究を好意的に紹介され、一時的にがっかりした事がある。その時の私には、そうした研究は悪しき植民地主義を正当化するものとしか思えなかったのである。 しかし、帰宅後に冷静に…

謝罪(1)

今年は『蟹工船』の売れ行きが例年の五倍との事である。 五倍ともなれば、以前私が書いたこの記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20080327/1206606500)の内容は、ほぼ完全に間違いだったと見做して良い。蟹工船 一九二八・三・一五 (岩波文庫)作者: 小林…

靖国神社と、「中韓両国」

靖国神社関連の話題で「中韓両国からの批判」という表現が登場すると、文脈にもよりけりだが違和感を覚える事の方が多い。 まず外交レベルの話であれば、その批判内容が同じなのか違っているのか、違っているとしたらどう違っているのかを、知りたいと思って…