フランス高等教育・研究大臣 講演会

 サルコジ政権の最年少大臣であられる、ヴァレリー・ペクレス高等教育・研究大臣(http://japon.campusfrance.org/IMG/pdf/_x_.pdf)の講演会に行ってまいりました。
 かなり早めに会場に着いてしまい、関係者以外では私が最初だったようです。御蔭で、一般来場者の座れる椅子の中では一番前の列の真ん中に座る事が出来ました。
 大臣の日本語は非常に美しく、聞き取りやすく、また表現方法も高度でした。
 主題は当然ながら高等教育に関してだったのですが、日仏間の幕末以来の友好的な交流を再確認し、未来における一層の協力体制を提案するものでした。
 講演の中では、ポール=クローデル大使の功績が何度も強調されました。私の興味を惹いたのは渋沢栄一子爵と二人で日仏会館を設立した話です。私は長年渋沢子に私淑していたのですが、恥ずかしながら海外との友好における子の貢献としては、日米関係に関してぐらいしか知りませんでした。日仏会館の沿革に関しては、詳しくはここ(http://www.mfjtokyo.or.jp/about/about_000.html)を御覧下さい。
 余談ながら、クローデル大使は、二百万部以上売れたという『国家の品格』(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20080405/1207330218)という書籍で好意的に紹介されていたので、最近の日本ではおそらく知名度が高い偉人なのではないかと思われます。
 もう一つ面白かったのは、フランス語の解らない留学生のため、英語の授業も行われつつあるという話です。フランスのナショナリズムに対する通俗的イメージとしては、とりわけ言語を大切にしているというものがあり、私もそれを抱いていたので、中々に意外でした。
 講演は一時間足らずで終わってしまいましたが、非常に有意義でした。日仏関係の重要さに思いを馳せると同時に、目標とすべき人物がまた一人増えました。

国家の品格 (新潮新書)

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