「『細かいのありませんか?』と聞かない従業員ありませんか?」

 店で「細かいのありませんか?」と聞かれる度に非常に腹立たしい気分になる。強盗ではあるまいし、他人の財布の中身を忖度するのは非礼極まりない。
 お釣りの硬貨にも事欠く有様であるのなら、「ただ今硬貨が不足しております。お客様のご協力をお願い申し上げます。なお一万円札を使用した購入には対応出来かねる場合もございますので、予めお詫び申し上げます。」と文章で書いて貼っておけば、互いに時間の節約になるだろう。
 なお、まさに売り言葉に買い言葉になってしまうが、店員の態度が過度に酷かった場合に備えた、客の側での自己防衛の文言も幾つか考えてみた。中には自分でも少々やり過ぎかなと思った案もあるのだが、一応以下に列挙してみる。
「見て判りませんか?」
「それは何を意図した質問ですか?」
「ひょっとしてチップを要求しているのですか?」
「貴方にとって何円以下が細かいのですか?」
「硬貨だけで支払いをすると、何か特別なサービスでもあるのですか?」
「硬貨があるなら初めから使用しています。」
「5円だけあります。5円に割り引いて下さるのなら、これで支払ってあげてもよい。」
「あるにはありますが、ここで使用するつもりはありません。」
「お店にはないのですか?」
「貴方にはありますか?」