『牙狼<GARO>-炎の刻印-』全話視聴計画(第4〜6話)

第4話「儀式−BLOODVILLE−」
 寒村で行われている魔女狩りの話。
 スペイン語圏の寒村で、外部に敵意を持った村人が大勢いて、動物の死骸に蠅がたかりまくっているという設定は、『バイオハザード4』へのオマージュだろうか?
 ホラーが絡まなくても、村人は自発的に集団でスケープゴートを殺す。後で冷静になって罪の意識に耐えられなくなる者が出たり、村人がその者の口を封じるために殺したりと、とにかく陰惨な話である。
 しかもホラー「バンボーラ」は、同床異夢とはいえ、一応は犠牲者の遺族に寄り添っていた。
 そういった特殊事情を考慮しても、なお人を裁かずにホラーを退治するという魔戒騎士の使命が強調された回であった。
 また犠牲者遺族は、母の仇討に燃えて大義を見失いそうになっていたレオンの分身でもあった。そしてバンボーラはレオンの同情を引くために顔を犠牲者遺族に変化させるが、それでもレオンはその顔面を破壊する。それは復讐に燃えていた過去の自分を殺すというレオンの成長を象徴的に表現したものであると言える。
 『牙狼GARO>』がアニメ化されると聞いた時には、世界観の崩壊が心配であったが、この話を視聴して完全に安心した。寧ろ今迄で一番、本質的な意味で初代『牙狼GARO>』のメッセージを継承しているとすら感じた。
 なお最後のスタッフロールで、前回出てきた紫の騎士の名前が「ラファエロ」であり、ナレーターと声優が同一人物である事が判明する。これは彼が語っている物語なのであろうか?
第5話「堅陣−GAIA−」
 新月の日なので、レオンの命はザルバに食われてしまう。シリーズ恒例の、脇役に無理無く焦点を当てた回となる。
 アルフォンソは前々回に自分の命を救ったラファエロから、様々な背景事情を聞く。先代の牙狼には娘が二人いて、姉のアンナは魔女として処刑され、妹のエスメラルダは王妃となりアルフォンソを産んだとの事である。
 アルフォンソはラファエロに入門してホラーを狩る力を身に着けようとする。
 最初はその力で守ろうとする対象が「私の国」であり、「どのような代償でも払う覚悟です!」と言うのだが、この時点では入門を許されない。だがラファエロと共に行動し、ホラー化したロメロ伯爵の暴政に苦しむ民の姿に触れた後は、動機がヴァリアンテの民を守るためとなり、「どんな苦難でも乗り越えて見せます!」と表現が変わる。ここに至って彼は入門を許される。
 血筋といい、精神的成長の速度といい、アルフォンソはレオンの良き対抗馬である。二人がどんな形で出会うのか、今から楽しみでならない。
 なお、今回の題名と副題はかなり奇妙であったが、終盤まで視聴するとラファエロの称号が「堅陣騎士ガイア」であると判明する。
第6話「騎士−BLACK KNIGHT−」
 ヘルマンとレオンはヴァリアンテ国内に入る。
 サンタバルド城下を描いた場面では、「ベルルー村特産の青黴チーズ」なるものが売られているのだが、何故かナイフで切って作った断面が白い。表面にのみ黴を繁殖させる特殊なブルーチーズなのか、単にチーズ文化に疎い日本人が描いたからそうなったのかは、謎である。またこのチーズを売っていた店は、蓮っ葉な女性を無垢な少女に見せかけた売春を行っていた形跡があるので、そもそも「青黴チーズ」という自己申告もまた虚偽であった可能性もある。
 今回は息子を失った腕の良い職人がホラーに憑依されるという、『牙狼GARO>〜魔戒ノ花〜』の「風鈴」に良く似た設定の話であった。
 なお、彼の息子が死んだ理由は、サンタバルド城で最近編成されている黒の騎士団への入団試験に落ちたからである。この入団試験は、志願者同士で殺し合い、負けると死亡し、勝つと入団前にホラーに憑依されるという、怖ろしい試験である。
 黒の騎士団の団長は謎の黒い騎士らしい。これがバラゴの様な暗黒騎士なのか、それともコギートの様な暗黒騎士紛いのホラーなのか、気になって仕方がない。
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