今朝は丸善の丸の内本店で友人と待ち合わせ、元祖ハヤシライス(とされるものの内の一つ)を食べてきました。
私はハヤシライスに関しては好みが激しい様で、原則として美味しいか不味いかの二通りの感想しか持ちません。でもここのハヤシライスに対しては普通の味のハヤシライスだと感じました。これは生まれてからようやく二度目の経験です。
私は大手の本屋が少々苦手なのですが、金曜日に伊豆高原で行ったミワドールhttp://d.hatena.ne.jp/gureneko/20090502/1241271250に置いてあったパンフレットで世界創作人形展http://www.nonc.jp/worldningyo/の存在を知り、久々に丸善を訪れたのです。
人形展では、私の感性のせいか日本の技術のせいかは判りませんが、三輪輝子先生等日本の作家の作品にばかり心を奪われました。ゾッとする程美しい人形達を見ている内に、「人形が生きているのではなく、私が死んでいるのだ!」という意味不明なフレーズが脳内に浮かびました。
「世界のふくろう展」にも行きました。世界各国の梟グッズが売られていました。興味深かったのは、各国で独自にデフォルメされたはずの梟の姿が非常に似ていたという事です。梟という鳥はデフォルメする際に特定の形に落ち着き易い特徴を備えているのかもしれません。
もう一つ面白かったのは、生産国に中国が含まれていた事です。「梟首」という熟語からも判る様に、中国では一般に梟は悪の鳥とされているはずだからです。ただ最近出版された湯浅邦弘著『諸子百家―儒家・墨家・道家・法家・兵家』(中央公論・2009)の「はじめに」によると、台北市の孔子廟には、梟でさえ孔子には感化されるという主張を込めて、梟が飾ってあるそうです。してみると中国にも梟の飾りの技術の需要が昔からあっても不思議ではないのかもしれません。
その後は友人と別れて大丸ミュージアムのムーミン展に行きました。正直、1000円の価値が有ったかは微妙です。友人を誘わなくて正解でした。
ただし、一つだけ非常に重要な新知識を得ました。ムーミンの前身たるキャラクターがもっと細長い鼻をしていたという事です。ムーミンに似たキャラクターの鼻が当初の設定より異常に太くなって今のムーミンになった。これはどこかで聞いた話です。そう、これは藤崎竜作『封神演義』における四不象の造形に関するエピソードに酷似しているのです。四不象はムーミンに似ている事で有名でしたが、原形からの発展の仕方まで似ていたという訳です。
梟のデフォルメの件といいムーミンの鼻の件といい、あるキャラクターの形状を可愛くしようとする時、人は人種・民族の壁を越えて似た発想をするのかもしれません。今日はそれを学んだ一日でした。
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