『まぼろし探偵』全話視聴計画(第17・18話)

第17話 Xマン?
 Xマンとは腹にXと書いた奇怪な衣装を着ている謎の犯罪者である。普段は赤垣という紳士である。後の『X-Men』とはおそらく何の関係も無い。
 赤垣は西丹沢中川にある信玄の隠し湯とされる温泉旅館「中川館」に逗留している。武田信玄の家来の子孫で、五十〜百億円の埋蔵金を密かに探しているという触れ込みである。協力者の一人は、資産家に近付いて赤垣の事業に参加する様に誘う役目を担っている。
 なお、武田の残党話は第1話で、埋蔵金話は第12話で、それぞれ使用済みである。
 第七〜八人目の犠牲者と推定される大河内という資産家は、騙されて中川館を訪れる。赤垣はわざわざ費用をかけて天狗の面をした巫女による神木の御告げや白兎の案内等の奇跡を大河内に見せ付けてから、彼を捕まえて金を奪う。他に安上がりな手段が幾通りも有った筈なのだが・・・。
 偶然中川館に逗留していた黒星十郎も、Xマンの尾行に失敗して捕まってしまう。
 黒星が新聞記者だった事もあり、赤垣は計画をそろそろ終わらせ、山中のアジトは今までの犠牲者ごと爆薬で吹き飛ばしてしまおうと考え始める。
 そんな頃、初めは大河内等と同じく騙されて中川館に来た二人組のギャングが、赤垣の計画を見抜く。赤垣の計画に加わろうとして拒絶された彼等は、ここでまさかの第三勢力となる。『まぼろし探偵』とは思えないぐらいには複雑な話に発展した。
 Xマンには現地に前述の巫女を含めて四人の部下がいた。内一人が囮として吊り橋で第三勢力と戦う。Xマンは第三勢力を高みから狙撃しようとするが、駆けつけたまぼろし探偵に邪魔をされ、逃亡を始める。途中、まず銃を失う。部下が二人駆けつけるが、これもまぼろし探偵に叩きのめされる。この二人が折角時間を稼いでくれた筈なのに、Xマンは直ぐにまぼろし探偵に距離を縮められる。
 ところがアジトに着く頃にはどうした訳か相当のリードを確保し直し、黒星・大河内に「おい、どうしても御前達を生かしておく訳にはいかんのだ。観念しろ。」とわざわざ宣告してから導火線に着火作業を開始する余裕を示している。しかもまぼろし探偵に追われている事すら忘れたのか、わざわざ自分が先程来た道の方を背にして、「これで何もかも木っ端微塵だ。文句が有るなら地獄の閻魔さんに言うんだな。おい。ははははははは。」と勝ち誇る。当然まぼろし探偵に背後から殴られる。
 ここでの格闘もまぼろし探偵が優勢であったため、Xマンはまたもや逃亡。まぼろし探偵は急いで消火作業を終え、黒星の縄だけを解き、大河内の縄は黒星に任せて、「僕はXマンを捕らえねばなりません。じゃ、先に行きます。」と言って去る。なおXマン本人は「Xマン」を自称している訳ではなく、ここで初めてその名称が登場している。
 まぼろし探偵がXマンに追いついた河原では、吊り橋で始まったXマンの子分と第三勢力の二人組との戦いも続けられていた。五人による三つ巴の戦いは中々見応えがある。更に黒星・大河内の二人も加わり、七人が大混戦を繰り広げる。
 そこへ更に天狗の面の巫女まで参入する。巫女がまぼろし探偵だけを標的にしていた事もあり、他の六人の戦いの舞台は河原から遠ざかる。巫女は拳銃と鉾とを持っていたのだが、拳銃は特殊電波ピストルの攻撃によって早々と失う。鉾も最初は上手に扱っていたのだが、天狗の面のせいでどちらが前だか判らなくなったのか、柄の方を突き出した所を受け止められてしまう。まぼろし探偵の攻撃を受け、巫女は気絶する。
 Xマンも第三勢力の兄貴分の方を苦労して倒していた。そこに現れたまぼろし探偵、「Xマン、武田家の子孫とは真っ赤な嘘、正体を顕したらどうだ!」と言う。Xマンは、「Xマン」とも「武田家の子孫」とも自称していないのだが、それについては特に反論をせず、格闘を開始する。
 ここでもまた劣勢になったXマン、「小僧、Xマンの最期を見せてやる。」と言い残し、滝から飛び降りて自殺する。Xマンは偶然にも本当にXマンという名前だったのか、それともまぼろし探偵にXマン呼ばわりされている内にその名前が気に入ったのか、全ては謎のまま終わる。題名が「Xマン?」であったのも、第7話の「れい迷教?」の時とは違い、納得出来る。
 まぼろし探偵はXマンを死なせてしまった事を後悔するが、黒星に「でもこれでめでたく全てが解決したんです!」と慰められると、直ぐに立ち直って談笑を始める。

第18話 国際密輸団
 香港の密輸組織の首領である「王」との戦いが描かれる。日本の警察は王を「ワン」と呼び、王は「おう」と自称する。
 三村三郎は王の組織によって麻薬中毒にされた挙句、使い走りにされていたが、誤認逮捕された兄を救うために自首しようとする。
 王は三郎を粛清しようとするが、まぼろし探偵は王の屋敷に乗り込んで三郎を救う。ところがまぼろし探偵は、特殊電波ピストルで王達を痺れさせた上で拘束すれば良い状況なのに、「御前達とまた会う時があるだろう。」と言い放ち、威嚇射撃だけをして三郎を連れて去る。
 まさか「この簡単な事件、俺が33分もたせてやる!」と思っての行動ではないだろうが、ともかく話はまだ続く。
 王が逃亡して抜け殻になった屋敷を捜索した富士警部達の間では、「どうも、第三国人をヤルのは骨が折れますね。」という、現在なら問題になりかねない発言も飛び出す。
 王は高飛びの前に三郎への恨みを晴らしたがるが、三郎は既に自首をして収監されていた。そこで三郎の自首で釈放されたその兄を、せめてもの腹癒せに始末しようとする。まぼろし探偵の活躍でこの計画は失敗し、王は漸く御用となる。
33分探偵 DVD-BOX 上巻

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