「誕生!中国文明」展に行きました。――カメさんとワニさん

 「誕生!中国文明http://tanjochina.jp/)」展を観に、上野に行きました。
 不忍池では、蓮の上に乗っている亀さんを発見。

 昼食には、いつも屋台に幻惑されて単なる背景と見做し続けてきたこのお店に、初めて入りました。

 これが大正解でした。「もりそば」を注文したのですが、現代の堕落した「ざるそば」の平均値よりも、遥かに添え物が豪華でした。お茶はセルフサービスでしたが、三つの味と二種類の温度が自由自在に選べました。
 さて、肝心の展覧会はというと、事前に聞いていた通り、河南省至上主義の臭いがプンプンしました。長江文明等に関する最近の研究成果は完全に無視して、「中華文明の始まりは夏!だって、王朝あってこそ文明の始まりと言えるんだもん!」という立場が貫かれていました。
 「中華思想」というと、現代では清王朝が欧米列強に対して夜郎自大の態度を採る事等を意味する場合が多いですが、本来の意味を改めて思い起こさせてくれました。
 九鼎が展示されていたので、「すみません。この青銅器は、何kgぐらいするんでしょう?」とか聞いてみようかとか思いましたが、冗談が通じなかったら大変なので止めました。
 まあとことん河南省にこだわってくれた御蔭で、春秋時代の同地域のマイナー諸侯について詳しく学べたので、その点は嬉しかったです。
 半分観終えた所にある売店では、展示されている河南省で発掘された青銅器を模した置物も売られていましたが、西域で採れるラピスラズリの球等も売られていました。あんたら、確かに生粋の商人(しょうひと)だよ。
 博物館を出たのは五時過ぎだったのですが、それでも出た途端に熱風が塗炭の苦しみを運んできました。

 写真にあるのは王仁の功績を称える碑です。「どっちが?」と思った方もいるかもしれません。答えは「どっちも。」です。屋根の無いのが副碑です。何故副碑が建てられたのかは謎です。
 西暦1939〜1940年に建てられたそうです。「同文同種・日支連帯」といったスローガンが流行った時代を反映してか(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20081113/1226520598)、王仁の先祖が漢の高祖劉邦である事が強調されています。
 いつか全文を読んでみたいのですが、訪れる度に暑かったり暗かったりで延期し続けています。全文転写しているサイトとかがあったら、誰か教えて下さい。