録音・録画技術の発達を祝う

 三重県で警官が事情聴取の相手をトイレに行かせずに失禁に追い込んだという事件の報道を読んだ。被害者の女性は途中からICレコーダーで事件を録音していたらしく、おそらくこれこそがマスコミに事件を信じて貰えた最大の理由であろう。
 新宿署違法捜査憤死事件(参照→http://haradakokubai.jimdo.com/)の実態が全国に知れ渡ったのも、やはり小型の録音機器の御陰であった。
 一昔前ならば法律家や政治思想家がどんなに頑張っても闇に葬られていたであろう人権侵害が、録音等の技術の発達の御陰で、現在ではこうして次々と明るみになっている。
 取り調べの可視化をめぐる議論も、一面ではイデオロギー論争ではあるが、また一面では予算の問題でもある。録画機器の軽量化・小型化・低価格化・高性能化が進めば、その分だけ可視化賛成派は増えていくであろう。
 こうした技術が、盗聴・盗撮等に悪用されているのも事実であるが、やはりどちらかというと人類に損害以上の利益をもたらしていると思われる。
 私は、人権侵害のより少ない社会を作るために自負心を持って現場で頑張ってる法律家も尊敬しているが、本人も時として気付かない内にそれに貢献している有能な技術者も尊敬している。どうか今後も弛まず文明を発達させ続けて頂きたいものである。