「呉智英のつぎはぎ仏教マンガ入門」を聴講

 昨日は立木秀学氏の講演(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20120519/1337435106)を聞いた後、東京大学仏教青年会(http://todaibussei.or.jp/)主催の「呉智英のつぎはぎ仏教マンガ入門」を聴きに行きました。
 呉氏は私に最大の影響を与えた人物の一人です(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20081110/1226254139)。しかし実物を見るのはこれが初めてです。
 講演の前半の内容は以下の通りです。
 
 小乗と阿含経のみが真の仏教というのが呉氏の立場。
 法華経とかは全部怪しげ。でも町の「(悪い意味の)善男善女」は何となく信じている。
 ただし阿含宗阿含経とは無関係。何しろ教祖はかつては観音信仰をやっていた。阿含経は世界的に注目されているのに日本仏教からは長年排斥されてきたので、その空席を利用してうまくメディア戦略を行った。裏に仕掛け人がいる。
 鎌倉仏教においても、四箇格言等に見られる通り、コピーライターの才能は重要だった。
 創価学会もまたメディア戦略が上手。そして貧しい人を組織化している。公務員は法律の範囲でしか貧しい人を救えないし、また救ってはならない。そこで法律では救いきれない人を救って世の中を安定させている。
 例えば教育を受けられなかったせいで犯罪者になった人物が出所したとする。公務員によるケアには限界がある。これを創価がケアする。創価の本は総ルビなので、入信するとめきめき学力が上がり、労働者として使い物になる。法華経の功徳ではなく、社会的トレーニングで幸福になったのだ。
 そうしたケアにはちゃんと一票という見返りがある。そういう人も皆と同じく一票を持っているという民主主義の制度を大いに利用している。
 

 ここで後半に向けてプリントが配布されました。
 創価学会の分析の部分は、裏を返せば「何故幸福実現党は選挙に弱いのか?」についての分析になっていると感じました。灌漑農法と略奪農法の差の様なものです。
 後半は宗教漫画の紹介であり、個人的には非常に勉強になりました。ただし、プリントに引用された漫画のコマを見ながらの語りだったので、無理にここで発言だけ紹介しても解り難いだけだと思うので、内容の紹介は割愛します。

つぎはぎ仏教入門

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