『神秘の法』と『DEATH NOTE』はこんなに似ている!

 『仏陀再誕』以降の幸福の科学の映画は、事実上の幸福の科学批判である場面が多い。これを『マタイによる福音書』第七章冒頭で批判の対象となっていた類型の単なる身の程知らずと解釈する立場もあるが、『プルガサリ』に見られた様な教団の傍流派による密かな主流派批判の痕跡である可能性に着目する立場もある。過去の記事やコメントに書いた通り、現在の私の立場は後者である(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20100925/1285341117http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20120606/1338985921http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20120613/1339514239)。
 さて、私は先年十月に『神秘の法』を観賞した直後の感想(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20121012/1349969577)では、「主人公の獅子丸翔≒大川隆法氏」という表層的な枠内でのみ、反主流派からの暗号の可能性が高い部分を抽出した。
 しかし『仏陀再誕』でも『ファイナル・ジャッジメント』でも、主人公に倒された側にも大川氏の負の側面が投影されていた可能性が高いのだがら、今回もその可能性を疑って然るべきであったと、今は反省している
 前掲の感想で、私はふざけて「エル・カンターレキラーの戦いとあっては、『DEATH NOTE』好きの私としては見過ごせない。」と書いた。しかしこれこそが暗号を解くために意図的に用意されていた解り易い最初の鍵だったのではないか、と最近では思い始めている。
 『神秘の法』世界では、当初は氏名不詳のジェネラルが世界的影響力を持っていた。次に、宇宙から降ってきたベガ星人の力を手にしたキラーがジェネラルを倒す。この絶頂期のキラーの前には、ベガ星人達すら捨て駒程度の存在に過ぎない。その後、キラーはジェネラルの後継者である獅子丸翔に挑戦され、最後はベガ星人の裏切りもあって滅ぶ。
 『DEATH NOTE』世界では、当初は氏名不詳のLが世界的影響力を持っていた。次に、空から降ってきた死神の力を手にしたキラがLを倒す。この絶頂期のキラの前には、死神達すら捨て駒程度の存在に過ぎない。その後、キラはLの後継者であるニアに挑戦され、最後は死神の裏切りもあって滅ぶ。
 話の流れが似ているだけでなく、「キラ」と「キラー」は音が似ているし、ベガが属する琴座関連の神話には冥界神が登場するといった類似点もある。
 これだけなら、二つの物語が類似しているという話で終わってしまうのだが、実は更に続きがある。『DEATH NOTE』世界が教団の歴史に似ているのである。ちょうど、『ファイナル・ジャッジメント』が本能寺の変に似ていて、その本能寺の変が映画公開当時の教団の現状に似ていたのと同じく、媒介を通じて間接的に教団主流派を当てこすっている可能性が高いのである。
 キラはLを殺した後、Lに成りすましてその影響力をそのまま受け継ぐために、Lの声まで偽造していた。一方大川氏は、エル・ランティこと故高橋信次氏の「霊言」を使い、その影響力を継承しようとしていた形跡がある(参照→『ちゆ12歳』「エル・カンターレの最大の黒歴史「エル・ランティ」とは」http://tiyu.to/permalink.cgi?file=news/09_12_29)。
 キラも大川氏も東大法学部を卒業している。しかも二人とも大学院の経歴については詐称をしていた(参照→『ちゆ12歳』「仏陀、学歴で見栄を張るhttp://tiyu.to/permalink.cgi?file=news/09_12_23&label=01)。
 キラも大川氏も、複数の女性と交際していた。キラと特に仲の良かった二人の女性は、散々利用された挙句に寿命が減ったり命を失ったりしている。大川氏も正妻を政治や宗教の場で活用した挙句に離婚した。
 キラの愛人の内、キラに利用されている間は有名な公人として持て囃されていたものの粛清後は手の平を返した世間から徹底的に批判されたのは、東大卒の高田清美。大川氏に利用されて政党の党首にまでなったものの粛清後は手の平を返した信者から徹底的に批判されたのは、東大卒の大川きょう子。一見すると名前は「きよ」の部分しか同じではないのだが、偶然にも粛清後の彼女がボランティア活動の舞台として選んだのは陸前高田
 キラは新世界の神を自称し、大川氏は至高神「エル・カンターレ」を自称する。
 Lとキラの共通の敵はヨツバの「死の会議」。ヨツバの漢字表記はおそらく「四葉」。GLA幸福の科学の共通の敵は創価学会。シンボルマークは八葉蓮華。名前だけを見ると「葉」しか同じでないが、ヨツバの死の会議は八人で構成され、しかも八人の座席は全員がほぼ対等である事を強調するかの様に八角形を形作っていた。
 キラはテニスが上手で、中学生時代には大いに名を馳せた。大川氏も教団サイトの記述等によれば若い頃はテニスをしていた事になっている。
 キラは自分の腕時計を改造してLとの戦いに有効活用していた。大川氏は自分の高級腕時計の自慢話を選挙戦で活用していた。
 キラは高額な小型テレビをゴミとして捨ててまでLを欺く工作をしたが、殆ど効果は無かった。大川氏は莫大な供託金を「ゴミ」呼ばわりして選挙戦に挑んだが、完敗して全額没収されてしまった。
 以上を踏まえた上で、現実を先程の二つの物語の紹介文に当て嵌めてみる。
 現実世界の日本の宗教界では、かつてGLAエル・ランティが一定の影響力を持っていた。次に、古参幹部に支えられたエル・カンターレがランティより有名になる。この絶頂期のカンターレの前には、古参幹部すら捨て駒程度の存在に過ぎない。その後は古参幹部の裏切りもあって・・・。
 と、ここから先は未来の話になるので、予言者ぶるのはやめておこう。ただ幸福の科学の有力者が次々と離反していく様を見ると、ニアがキラの側近を一人ずつ離反させていった流れをどうしても思い出してしまう。
 因みに『ちゆ12歳』「ダーウィンニーチェは地獄なの?」(http://tiyu.to/permalink.cgi?file=news/09_12_25&label=da)では、幸福の科学の雑誌『リバティ』の2006年10月号の『DEATH NOTE』評が写真で紹介されている。途中までは面白かったのにキラが格好悪く負けたラストが気に食わないとの事である。
 その理由として死生観が幸福の科学と合わない事が挙げられてはいるが、ひょっとしたら実はキラの中に大川氏を見出していたのかもしれない。

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