『サクラ大戦TV』(第十六〜二十話)

第十六話 対降魔部隊
 話のほぼ全てを、五年前の降魔戦争に費やしている。当然活躍するのは大人ばかりであり、しかも主役四人の内、一人は中将の御爺さんで一人は大佐の小父さんなので、若い視聴者にはとことん感情移入がし難かったと思われる。
 こういう話に一話を丸ごと当てるという姿勢から、安易な妥協を避けて一大芸術作品を作ろうとするスタッフの姿勢が伝わってくる。
 最後の最後だけ前回の続きであり、大神一郎真宮寺さくらが東京行きの汽車に乗っている。
 ただし、機関車のナンバーは「C62.2」に変更されている。ミスでないとすれば、どこかで乗り換えたのだろう。
第十七話 序曲
 「陸軍省品川區弾薬貯蔵庫」と書かれた木の板が登場する。確かに戦前にも略字はあっただろうが、公的機関のプレートで「区」だけ旧字体で「弾」・「薬」・「蔵」が新字体というのはやはり不自然である。
 私の予想通り、紅のミロクが復活する。しかし髪は乱れ放題であるし、知能も極端に低下していて、ほぼ別人である。これを不鮮明な映像を通じて一瞬でミロクだと見抜いた風組は凄い。
 ミロクは、知能の低下により指揮官としての能力は下がっていたが、個人としての戦闘力は寧ろ向上しており、かつて自分を倒した神崎すみれに対して優勢を保ち、強くなった筈の真宮寺さくらからも逃げ延びる。
 もしも羅刹まで復活して、しかもミロクと同じく頭が悪くなる代わりに力が強くなったら、一体どこまで馬鹿になりどこまで強くなるのかと、不安と期待で一杯になった。
第十八話 シンデレラ
 真宮寺さくらが主役に抜擢される。神崎すみれは不満を口にするが、最終的にはすみれによってさくらは開花する。
 さくらを一番良く解っているのは、普段さくらを罵り続けているすみれだという事が判明した回である。
第十九話 破邪の陣
 復活した刹那と羅刹は、刹那が精神で羅刹が肉体という一心同体の形で登場する。しかも刹那には目立った知能の低下が見られないので、これは文武両道の究極超人である。
 敵は叉丹・刹那・羅刹・脇侍数体、味方はアイリス以外の全員という陣容で、戦いが始まる。敢えてミロクを参戦させなかったのは、第十四話と戦力を揃えて比較対照し易くするためであろう。
 今回はアイリス機の調子が悪くて反則級の逆転劇がなかったものの、不完全ながら「破邪の陣形」が機能したため、叉丹を一時的に怯ませる所まで行った。
第二十話 しのび寄る闇
 これまで華撃団への対処は部下に任せきりで、自身は天海の封印を解くために全力を傾けていた叉丹だが、前回の戦いで華撃団の成長に脅威を感じたらしく、自身の労力と時間を費やして謀略を仕掛けてくる。
 叉丹が真宮寺さくらに渡した名刺には、「山崎商會(原文改行)山崎真之介」と書かれている。「会」が旧字で「真」が新字なのはもう良いとして、役職や連絡先が書かれていないのは怪しい。

<旧>トレーンNゲージ NO.48 C-62蒸気機関車

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