第十一話 花組合宿
李紅蘭に焦点を当てた話である。
辛亥革命で両親を失った過去と、発明品が爆発し易いという設定とが、明かされる。
中国の製品が爆発し易いという通念の戯画化や、歴史を前進させたとされる辛亥革命においても被害者は居たという事実の重視は、中華人民共和国の愛国者から見れば大変不快であると思われる。
第十二話 ひとりぼっちのバースデー
アイリスのトラウマが明かされる。
「アイリス生誕記念会」や「おめでとう(原文改行)アイリス」といった文が左から右に書かれている。確かに戦前にも稀に左から右に和文を綴る事があったらしいが、レトロ感を魅力にしているこの作品には不向きである。
第十三話 花と咲かせよ!乙女の意地で!
史実では30年以上前に完成していた凌雲閣がモデルと思われる「浅草十三階」が建設中であった。『サクラ大戦』の世界は原則として史実より文明の進歩が速いが、偶にはこういう事もあるのだと感心した。
ミロクはこの建物に人間の傲慢さを見出していた。バベルの塔の故事が踏まえられているのだろう。
また「人がゴミの様だ」という言い回しは、『ラピュタ』へのオマージュであろう。
今回の戦いで華撃団はミロクを討ち取る事に成功する。余りにも呆気なかったので、復活を予測してみる。
今回からエンディングの音楽が、オープニングの「ゲキテイ」を音頭化したものになった。この発想には驚かされた。
第十四話 アイリス出撃す!
全体の話数を知らずに見ていた場合、最終回かその前の話ではないかと誤解する程の激しい戦いが繰り広げられる。
華撃団初の戦死者が出かねない状況にまで陥るが、その直前、それまで出撃を渋っていたアイリスの機体が現場に瞬間移動し、形勢を一気に有利な方向に持っていく。
ゲームと異なり、アイリスの瞬間移動は基地から現場まで一瞬で行ける程の距離を持ち、しかも自機が触れている他機も一緒に移動出来るという、非常に優れたものであった。
多くの機体が傷付き、負傷者も出したが、刹那・羅刹まで討ち取るという大戦果の回であった。
第十五話 さくら故郷へ帰る
ゲームでは第二作で漸く登場した真宮寺さくらの実家が、早くも登場する。しかもゲームでは登場しなかった真宮寺一族も多数登場する。
仙台での目的を果たした後、さくらが東京へ戻る際に使用された機関車はC6249であった。史実では第二次世界大戦後に製造されたナンバーである。蒸気文明が史実より激しく進歩している事を印象付けるためだったのか、それとも適当に常磐線の機関車の資料を使っただけなのかは、不明である。
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