仮に幸福の科学の自称信者数を擁護してみた。

 幸福の科学は信者数が一千万人以上だと自称している。
 その数値の根拠については様々な憶測が語られてきたが、『文藝春秋2009年8月号』の教祖へのインタビューにより、「信者だけに渡される根本経典『正心法語』の発行部数が基準」という主張が広く知られる事となった。
 これに対しては、「一人で『正心法語』を何冊も持っている人がいる」という有力な告発がある(参照→http://sanpole.blog.fc2.com/blog-entry-58.html)。
 そして幸福実現党の集票力の低さが具体的な数値として公表されて以来、教団の自称する信者数を信じる者はほとんどいなくなった。
 だが私は慈悲深いので、教団の自称信者数を仮に擁護する論法は無いものかと色々と考えてやった。本来は信者こそが考えなければいけない筈の言い訳を、私の方で考えてやったのである。
 私はかつて前述の教祖の主張に対して、「『正心法語』とやらが仮に信者一人につき一冊しか渡されていなかったとしても、そして棄教者が限りなく零に近かったとしても、『正心法語』の印刷開始以後に死んだ信者数を引かなければならないのではなかろうか?」という疑問を持った事がある。
 だがさっきふと気付いたのだが、これを反転させれば良い言い訳になる。すなわち「当教団は霊魂の存在を信じているので、死人も信者数に数えてました。」と言い張れば良いのである。
 「やや日刊カルト新聞」の2010年1月12日の記事(http://dailycult.blogspot.jp/2010/01/175.html)によれば、死人である坂本龍馬氏が幸福実現党の応援団長に就任したと、幸福実現党は言い張っているらしい。こういう事をやっている団体ならば、今から「死人も信者数に数えてました。」と言い張っても、それを後付けの言い訳だと見做さない人が少しは存在するだろう。
 ただしこの場合でも、幸福実現党の集票力から概算された生存信者数の少なさが問題となってくる。「かなり多めに見積もっても生存信者数はX人程度の様子ですが、発足から三十年弱でそんなに死んでしまうもんなんでしょうかね?」と批判された場合、反論に困ってしまう。
 ここで「その通り、『正心法語』を手にした人間のほとんどは数年以内に死んでしまうのだ!」と答えてしまうと、その場の議論には勝てるかもしれないが、教団に入信しようとする人間の数が一層伸び悩みそうである。
 よって因果関係を逆転させて、「地獄に堕ちる人の数を減らすため、ずっと老人を主な布教の対象に選んできました。」と主張するのが上策かと思われる。

文藝春秋 2009年 08月号 [雑誌]

文藝春秋 2009年 08月号 [雑誌]