『牙狼<GARO>-炎の刻印-』全話視聴計画(第16〜18話)

第16話「医術 -CURE-」
 典型的なペスト医師の覆面をした人物が登場する。彼は有名な放浪医師のファビアンであった。ファビアンは立ち寄った先の村で野心的な若者であるミケルに殺されてしまう。ミケルはホラー「メディクルス」と契約して医学的知識を得、以後はファビアンとして振る舞う。覆面のせいで正体がばれる事は無かった。
 サンタバルド城下に着いた偽ファビアンのミケルは、無料で診察を行う。前回は普通の職人がオーパーツを使いこなしていたので、ホラー化した医師はどんな凄い手術をするのかと期待していたのだが、意外にも当時の常識であった四体液説を基にした助言を行う程度であった。
 そして相手が治りかけると、体内で分泌された治癒用の物質の味を求めて、相手を食らうのである。この行動様式は、パズズに酷似している。
 そしてヘルマンに正体を見抜かれると、メディクルスは自分が食べる人間の数よりも自分が救う人間の数の方が多いと主張する。ヘルマンの逗留先の宿屋の娘であるヒメナも、メディクルスの力で救われた内の一人である。「このホラーを退治する事が本当に正義なのか?」と視聴者に考えさせるという意味でも、パズズやリングの系譜上にあると言える。
 しかもメディクルスは実力ではヘルマンより上で、一度はヘルマンに勝ってしまう。これもパズズ・リングを思い起こさせる。
 だがメディクルスには傷付いた人間を見ると治したくなってしまうという医師の良心が残っていたため、ついヘルマンを治療してしまい、奇跡の逆転敗北を喫するのである。ホラーとしての正体を見せた後も、頭部には表情豊かなミケルの顔が残っていたのは、この「良心」の名残を象徴していたのかもしれない。
 そして物語の最後で、番犬所に呼び出されたヘルマンは、ガルムからメンドーサに協力せよとの命令を受ける。メンドーサが生きていた事については、大方の視聴者の想定の範囲内であったろうから、更なる意外性を付加したこの展開は、視聴者の興味を引くのに非常に効果的であったと思われる。
第17話「雪夜 -SNOW FALL-」
 レオンは逗留先の村外れで結界を見つける。そこはかつて番犬所の跡地であった。滅びた理由として、レオンは平和な村には不必要な施設だったからという仮説を立て、現在の自分の立場と重ね合わせる。
 この村に突如としてアルフォンソが現れる。互いに成長をしていたアルフォンソとレオンは「守りし者」とは何かについて平和的に意見交換をする。
 後半ではホラー「グランドマグス」が登場する。レオンは自分の庇護者である一家を、番犬所跡地の結界に誘導しようとする。だが既に御伽噺の中の存在と化していた結界の権威は弱く、一家は翌年の種籾に目が眩み、結局結界を出て帰宅した所をホラーに全滅させられてしまう。
 役目を終えた番犬所が人間の保護に役立たなかったのと同じく、魔戒騎士になれないレオンは守り手として無力であった。
 かつて自分には守りたいものが無かったレオンは、この農村で漸く守りたいものを見つけ、しかもそれを守れなかった事で、「守りし者」を再び目指す動機が出来た事になる。
 準レギュラー化していた一家の全滅は、レオンが牙狼でなくなった時以上に衝撃の展開であった。
第18話「幻炎 -SCAR FLAME-」
 レオンは守りし者としての覚悟を決め、己の内なる復讐心にも勝利する。
 アルフォンソは実際にレオンと戦ってみる事で、レオンが生まれ変わった事を理解し、牙狼の鎧を返還する。
 再びコンビを組んだ二人は、使徒ホラーのマンドゥーラを倒す。
 使徒ホラーは冴島鋼牙が倒した七体が全てだと思われていたが、他にもいた事が判明した。七体でないとすると、やはり十二体いるのだろうか?
 最後に突然登場したヘルマンが、任務としてメンドーサに協力する事になったと二人に伝え、何処かへ去る。