全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第十一〜十四話)

第十一話 斬牙
 いよいよ二人目の魔戒騎士が誕生し、前半の事実上の最終話として相応しい内容となる。
 袴垂の噂を聞いた大盗賊天戒丸が彼を呼び寄せ、白蓮騎士斬牙の称号と鎧を譲り渡す。
 そして同時に受け継がれた魔導輪は、懐かしのゴルバであった。白蓮騎士の鎧も白夜騎士の鎧と似ていた。
 ここでようやく思い出したのだが、この物語の時代設定が一部の例外を除いて西暦1000年前後だということであり、それはレギュレイスとの戦いがあった時代と一致するという事である。
 終盤なり続編なり映画なりで、袴垂とレギュレイスの戦いが描かれる可能性は高そうである。かなり楽しみである。
 今回火羅「河童」になったのは、蹴鞠が得意だったのに思う様な出世が出来ずに袴垂とその兄保昌を逆恨みしていた藤原成通である。
 その名前を聞いた事が無かったので完全に架空の人物かと思ったのだが、検索してみた所、百年ぐらい未来に「蹴鞠が得意」で「家柄程には出世できず自棄になった」同名の人物がいたらしい。これがおそらくモデルであろう。
第十二話 曲宴
 『炎の刻印』の「饗応」と同じく、前半の総集編を兼ねた声優の対談である。
 「曲宴」という単語には、「内輪の宴会」という意味の他に「曲水の宴の略」という意味もあるので、平安時代を描いたアニメの声優の宴会として実に相応しい題名だったと思う。
第十三話 相克
 かなり前から登場していた、文字で意思疎通をする式神が「?」マークを使っているのに気付いた。何とも現代的である。ひょっとしたら私が見逃していただけで、これ以前にも使っていたのかもしれない。
 自由に行動して政治体制まで変えることまで模索している袴垂に対して、雷吼は星明の助力を得て弥縫策的行動ばかりしている自分を不甲斐無く思い、封印を解くよう頼むが無視される。
 蘆屋道満は「雷吼を救えば一般人が大勢死に、一般人を救えば雷吼が死ぬ」という状況を作り出し、星明を困らせる。
 賀茂保憲は史実では安倍晴明の先輩格であったが、本作では安晴明の劣位に置かれて嫉妬をしているという設定になっており、その嫉妬を蘆屋道満に煽られて火羅となり、光宮の内側に潜入する。
 袴垂と雷吼の方針の相克、雷吼と星明の希望の相克、星明の内面における人命と雷吼の軽重の相克、晴明と保憲の相克(これはやや一方的な逆恨みに近いが)が描かれており、題名に相応しい内容であった。
第十四話 星明
 火羅化した賀茂保憲が光宮の内側で暴れ、大量の貴族が死ぬ。星明が挑み、さらに袴垂も兄の計らいで白蓮騎士となって駆けつけるが、なお劣勢である。
 雷吼・金時・頼信・晴明は大量の囮部隊を掴まされたため、中々助成に行けない。
 しかし星明による鎧の封印が利己的なものではなかった事や、星明が命懸けで鎧の浄化をした話を聞き、雷吼の星明への誤解は消え、精神も一人前となる。
 それによって自ら封印を解く能力を手に入れ、鎧のデザインも変わる。そして囮部隊も賀茂保憲も簡単に倒してしまい、一度は追い抜かれた袴垂からも騎士として認められる。
 星明は以後別行動を取る事となる。
 また蘆屋道満と先代蘆屋道満の間の目的の相違も拡大していき、人間関係は一気に変化した。