生まれて初めて日光に行きました。今までも行く機会が何度もあったのですが、何故か必ず何らかの原因が発生して行けなくなってきたのです。
早起きの甲斐あって、かなり早い時間に日光に着きました。
そしてまずは藤村操で有名な華厳の滝を目指しました。標高が高くなるにつれて、美しい霧が山々を覆い、さながら神仙郷の心地がしました。
しかし塞翁が馬というか、この霧が実は強敵でした。明智平ロープウェイに行くと、「本日は霧のために展望台に行っても何も見えないよ。」と諭されたのです。
折角来たのに残念であった一方、ロープウェイの会社が正直だったため往復710円の損だけは免れた点については嬉しく思いました。この善良さに報いるためにも、別の季節にもう一度来て必ずこのロープウェイに乗ろうと思います。
山を下りた後は、日光東照宮に行きました。
このゴテゴテ感が日光独特の魅力です。日本の美学を「簡素」の一言で纏めた気になっている人は、これを観てからにして欲しいものです。
同じく、日本の茶の文化も質朴さのみが注目され易いですが、古田織部という存在を知らずに理解し尽くした気になるのは危険だと思います。
上手に撮影出来ませんでしたが、この猫こそがここに来た最大の理由だったのです。
以前根岸鎮衛が書いた『耳嚢』巻之二の「仏神に猫を禁じ給ふといふ事」という話を紹介しましたが(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110319/1300546107)、その中で根岸は、東照宮に猫の彫刻があるのを見て「仏神が特定の動物を嫌う筈が無い。」という結論に達していたのです。この文を読んで以来、是非ともこれを見たいと思っていたのです。
これが家康の遺骨の上に置かれた塔です。
東照宮を見終えた時はもう三時を過ぎていたのですが、日光の他の社寺にも入場出来る券を無駄にしたくなかったので、大急ぎでそれらを廻りました。
これは確か薬師堂・・・。
日光二荒山神社。延喜式にもある神社らしいのですが、御覧の通り新興勢力の葵の紋を貼られまくっています。
こっちは家光さん。
日光東照宮宝物館(http://www.toshogu.jp/shisetsu/houmotsu.html)にも寄りました。ゲーム等で御馴染みの、家康が関ヶ原で着用した南蛮風の鎧の実物があったので嬉しかったです。トイレに行く通路にも展示物がありましたが、これは来館者の九割が見落としていると思われました。
帰り道に食べたのが湯葉尽くし的メニュー。
多少高かったのですが、湯葉料理になれていない以上は、とにかく総なめしてから自分に合ったものを探そうと思ったのです。
- 作者: 根岸鎮衛,長谷川強
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