一念発起してドリームキャスト版の初代『サクラ大戦』をやってみた。

サクラ大戦 (通常版)

サクラ大戦 (通常版)

 私は『サクラ大戦』シリーズをストーリーを遡る形で楽しんできたが(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20130114/1358094473)、一念発起してそろそろ初代から時系列に従って楽しむ事にした。以下はその感想である。
 ゲームの大体の流れは『サクラ大戦V』(以下、『V』)で知っていたので、かなりすんなりと慣れる事が出来た。また後述するメインヒロインの特徴等、話の内容にも『V』との共通点が大いに見られた。『V』がいかに初代の影響を受けて出来上がった作品であるかが、良く判った。
 江戸幕府復興を目指して復活した南光坊天海との戦いから、この話は始まった。天海の額には複眼らしきものが付いていたのと、背中には脚の様なものを背負っていたのとで、私はてっきり虫に変形するのかと思っていたのだが、この予測は裏切られた。
 なお、真のラスボスはスケールが大き過ぎた。第一作でこれ程凄い敵を出してしまったのは、シリーズ化する上では失敗だったと思われる。
 全体を通じて特に面白かったのは第五話である。ここでは古ぼけた洋館内をうろつきまわり、途中蛇や蜘蛛の毒を受けて解毒剤を探したり、鍵を探し回ったりする。つまり初代『バイオハザード』そっくりなのである。
 調べてみると、サターン版は初代バイオハザードの約半年後に出たらしい。バイオハザードは当初は宣伝に頼らず、口コミで徐々に広がっていったらしいので、もし僅か半年後の発売のゲームにそのオマージュを盛り込む事が出来たのだとしたら、非常に先見の明があり且つ仕事が速かった事になる。またもしも単なる偶然の一致だとしたら、それはそれで興味深い。
 また後代のゲームへの影響としては、「あやめ」が「殺女」であるというの発想が『天誅弐』でも使われていたのを覚えている。
 なおこの第五話では『西遊記』が演じられているのだが、その中に「妖鬼夫人」という悪役が登場していた。以前私は岩波文庫版の西遊記に登場する妖怪を全部調べ上げた事があったのだが(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20120220/1329699704)、妖鬼夫人なる妖怪には出くわさなかった。ゲーム製作者の創作妖怪なのか、それとも異本に登場する妖怪なのかは、謎である。
 以下、各キャラクターへの感想を個別に書く。ヒロイン達の順序は『V』の感想(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20121229/1356774130)の時と同じく、実際に私が主人公に成りきって自己流に行動してクリアした後に出来上がった、仲の良さの順序に従っている。
大神一郎
 服装だけではなく、士官学校を首席で卒業しながらもしばらくは不本意なモギリの仕事をやらされる等の境遇面でも、『V』の大河新次郎との共通点が多く見られた。
 モギリを嫌がる所までは感情移入出来たが、伝票の整理まで嫌がり始めた時には、流石に我儘であると思った。会計は軍隊でも重要な任務である。
 第二話で帝都タワーの上に座っていた天海を遠くから一瞬見ただけなのに、第三話では天海の顔を細部まで再現した悪夢を見ていた。この特技(?)は、彼の霊力の一つなのだろうか?
 また二刀流の接近戦を得意としていながらも、団員達が自分に合った特訓をする際には、何故かマリアと一緒に銃の訓練をしていた。私はてっきりこのイベントの後では遠隔攻撃も出来るようになると思い込んでいたのだが、そんな改修は無かった。集中力を養いたかったのか、それともマリアと二人きりになりたかったのか、はたまた何も考えていないのかは、謎である。
真宮寺さくら
 雑魚相手には日本刀を持った生身で戦った方が強かったり、田舎者扱いされたり、新人だったり、メインヒロインだったり等等等、『V』のジェミニサンライズと多くの共通点を持っていた。
 個人的にも一番気に入っていた相手なので、自然と彼女と一番仲良くなれたのは良かった。
マリア=タチバナ
 私が選択肢を選ぶ際には、自分の中の倫理規範に忠実に従っているため、時として短期的視野から見て冷酷とも受け取られかねない選択も行う。そこが似た者であるマリアに気に入られたのかもしれない。
李紅蘭
 元ネタが余りにも判り易い名前である。こういう所でもレトロ趣味に応えているのだろう。
 こいこいの勝負を挑まれて、追い込まれつつも奇跡の大逆転が出来たのは、彼女との良い思い出である。
桐島カンナ
 こういう暑苦しいのは、もしも実際に身近に居たら困るというのが正直な所。
 でも何故か途中までは随分好かれ、第九話の序盤ぐらいまで一位だった。
神崎すみれ
 彼女の自己崇拝型の性格がほんの少し弱まれば、ただの勘違いした嫌な女になっていただろう。だが行き着く所まで行ってしまっているので、逆にそれが魅力になっている。
 個人的には二位ぐらいにしたかったのだが、余り仲良くなれなかった。
イリス=シャトーブリアン
 通称は「アイリス」。この事から、『V』で同じくメンバー内で一人だけ極端に幼かったリカリッタ=「アリエス」の命名への影響が解る。
 リカリッタの時もそうだったのだが、やたら気を配った積もりなのに、何故か最下位になった。私の立居振舞は思春期以前の少女に酷く憎まれるものなのだろうか?
 
 さて、次は続編をやろうか、それともアニメ版を観ようか?
サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~ 通常版

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バイオハザード

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サクラ大戦

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立体忍者活劇 天誅弐

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西遊記(10冊セット) (岩波文庫)

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サクラ大戦2?君、死にたもうことなかれ?メモリアルパック

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サクラ大戦TV DVD-BOX

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