サクラ大戦第四期ドラマCDシリーズ

『モンパルナスの夜』

 『サクラ大戦3』の後日談である。そして『サクラ大戦3』の戦いの功績でロベリアの刑期が1000日間にまで減り、しかもその内の300日が既に終わっているという設定なので、『サクラ大戦4』よりも更に後の話である。
 大久保長安やトゥールネル伯爵との戦いのため牢獄にいなかった期間も刑期に含めているか否かは謎なので、単純に「大神一郎の帰国から約300日後」とは言い切れないが、この物語の更に後日談を描いた第三の盤『シャンゼリゼの怪人?!』が1927年内の話であったので、1927年である事だけは確かである。
 シャノワールの売り上げが落ちているが、グラン=マは劇的な変化を求めようとはしないという話であった。そこで巴里花組の面々が工夫を重ね、ロベリアに作戦行動以外でも週末は舞台に上がるための特別外出許可が出る。これにより、売り上げが回復する。
 ところで、『サクラ大戦 巴里花組ライブ2012 〜レビュウ・モン・パリ〜』は、私の調査では1929年以降のクリスマスの物語である(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20140216/1392510933)。仮にこれを1929年としても、1928年全部と1929年の大半だけで、700日を達成できる計算になる。しかしロベリアの刑期はまだ終わっていなかった。新しく何かしでかしたのか、それとも過去の裁判では評価されなかった余罪が新たに見つかったりしたのだろうか?
 なお、この世界のフランスも共和制に移行している筈なのであるが、政治の中心となる建物が「王宮」と呼ばれていた。
『怪人ねずみ男爵』
 『海神別荘』公演の直後の話とされているが、『海神別荘』公演は二度行われているので完全な特定は難しい。しかし以下の理由により、私は1926年末の『海神別荘』の直後の1927年初頭の物語であると考える。
 まずアイリスがマリアを「隊長」として紹介する場面がある。これは大神不在期間の直後であると考えれば、自然な発言である。
 桐島カンナが、神崎すみれとの会話で、相手が酒を飲めるのを前提としているかのような口調で会話をしている。すみれが成人になっている可能性が非常に高い。そうなると1927年1月8日以降の物語である。
 真宮寺桂が東京に来た際、「40年ぶり」と言っている。そして前に来たのが「確か明冶25年だったか」と言っている。明冶25年は1892年なので、1927年ならば四捨五入でぎりぎり40年前になる。
 因みに、真宮寺桂が東京に来たのは、本人の発言によれば真宮寺龍馬と結婚する前だった事になっている。桂が真宮寺一馬を産むのは1880年の筈だが、法律上の入籍を長年しなかったのであろうか?
 なお今回の話の中には、浅草で創業160年の「豆かん屋」主人と花組が会話をする場面がある。客が同じ味だと感じる様に、実は季節や時代ごとに味を微妙に変えてきたのだというのである。
 前回のグラン=マ同様の、劇的な変化を嫌いつつも、微修正は施し続けるという姿勢である。
 ひょっとしたらこれは、製作陣による『サクラ大戦』シリーズに関する決意表明だったのかもしれない。
シャンゼリゼの怪人?!』
 『モンパルナスの夜』の後日談である。ただしシゾーについて、グリシーヌが「昨年倒した」と言っているので、1927年の話である。
 シゾーは新規な服装のデザイナーとして再出発したものの、古風なファッションの貴族を襲撃する事で新風を強制的に巻き起こそうとしていた。経済的に成功する事で最終的には世界征服まで目指しているらしい。
 巴里花組はシゾーを叩きのめし、今後は違法な手段を採らない事を誓わせていた。
 重要人物に見えた日本からの旅行者が、さして活躍しないまま終わってしまったのが残念。
『すみれラプソディ〜神崎すみれ引退公演』
 神崎すみれが霊力を失い、引退する話。
 アニメ版よりも詳しい事情が描かれていた。
 普段はドラマCDに登場しない薔薇組等も登場し、集大成の感があった。
SEGA THE BEST サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~

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サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~通常版

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サクラ大戦 巴里花組ライブ2012 ~レビュウ・モン・パリ~ [DVD]

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