サクラ大戦第五期ドラマCDシリーズ

『ライブ at シャノワール 〜ジャン班長の優雅な一日〜』

 機械整備一筋であったジャン班長が、シャノワールの舞台を客の立場で観賞する事で、より広い視野を獲得するという話。今迄は舞台がらみの話がなかったせいで、どうしても中嶋親方の劣化版という印象が強かったジャン班長であるが、今後はもう少し活躍が期待出来そうである。
 なお第三期の第四話にて帝都花組で起きた様な、伝言ゲームのもたらすドタバタ劇も起きていた。しかもそこへロベリアまでもが巻き込まれていたのは、かなり意外で面白かった。
『巴里のクリスマス』
 強欲な金貸しがクリスマスの夜に改心するという話。『クリスマスキャロル』の影響が強い設定である。
『〜あぁ、無情(レ・ミゼラブル)〜【前編】』
 花組による『ああ無情』の公演であるが、これもゲーム中に出てきたものではなく、その再演を描いたもの。
 時期は不明だが、神崎すみれが既に引退している一方、三人娘の所属が帝劇に戻っているので、ゲームよりもかなり未来を描いていると思われる。
 前編は準備が中心。
 第四期には「王宮」という施設が登場していたが、レニの台詞を聞く限りでは、この世界のフランスも既に共和制に移行しているようである。
 ダンディ団のボスが、幼い頃は正義に燃えていたが、貧しさ故にギャングになったという設定も明らかになった。これは『ああ無情』のテーマにも通じる、非常に優れた設定であった。
『〜あぁ、無情(レ・ミゼラブル)〜【後編】』
 後編は公演が中心。
 米田一基が入院する場面があるのだが、見舞いにかけつけるため藤枝かえでは帝国華撃団の設備を利用していた。米田が既に引退している以上、これは一種の汚職なのではあるまいか?
 とはいえこれも、「法」に拘り過ぎて「情」の無いジャベールへのアンチテーゼとして書かれたものなのかもしれない。
クリスマス・キャロル (新潮文庫)

クリスマス・キャロル (新潮文庫)