サクラ大戦2ドラマCD

『ラジヲドラマ・少年レッド』

 お台場に存在するラジオ放送局が『少年レッド』を生放送する。花組のメンバーがそこで声優を務める。
 ドラマの内容は少年レッドがドクロXを倒す話であり、第一話から第三話までが描かれている。ドクロXとその部下「ドクロ四人衆」の構成は、『サクラ大戦〜轟華絢爛〜』の第四話「人情紙芝居・少年レッドよ永遠に」と同じ。
 第一話の時点で既にマリアがいるので、『サクラ大戦2』の第四話「大暴れ!火の玉芸者ガールズ」以降の話と思われる。そして第三話が終わった時点で既に秋になっていた。
 しかしながら、『サクラ大戦2』ではゲーム開始直後ぐらいの季節から少年レッドの放送を開始しており、キネマトロンの周波数を合わせる事で、それを聴けた筈である。
 当初は複数のラジオ局が少年レッドを放送していて、これは後発の局の物語なのかとも考えた。しかし登場人物達の発言を聞く限りでは、ラジオ化はこれが初という設定になっていた。
 よってゲームとは別世界のパラレルワールドを描いた作品であると思われる。
 他にも、『サクラ大戦〜太正恋歌〜1』の68ページでは、「お台場」が作られたのは欧州大戦の時期であったが、本作では維新の前に黒船を迎え撃つために作られたという、史実に近い設定となっていた。
 なお最後の部分にも少年レッドの物語が収録されていたが、これは第二期のドラマCDを通じて少しずつ語られていく少年レッドのもう一つの物語であったので、後で別個に紹介する。
『喜劇リア王
「サクラ大戦2」ドラマCD?喜劇・リア王

「サクラ大戦2」ドラマCD?喜劇・リア王

 悲劇である『リア王』を喜劇として描くという作品。話を変えるため、シェイクスピアの別の作品も参考にしている。
 しかし雰囲気の変化は抑制されており、もっと強烈に喜劇化して欲しかったというのが正直な感想であった。
『国定忠臣蔵
 題名が奇を衒ったものであったので、聴く前は馬鹿にしていた。今回は隊長も旧星組も登場せず、古参メンバーが温泉旅行をするという回らしかったので、「ハズレ」を前提に付録の少年レッドの続きだけを目当てに聴き始めた。
 しかしこれがかなり面白かった。
 自分達のそっくりさんに出会うという、古くからある類型の物語なのだが、この自分達と少しずつ名前の違う集団という設定と、史実の四十七士の名前を少しずつ変えて登場人物を作った『仮名手本忠臣蔵』とを関連させた点に、この作品の独自の付加価値があった。
 国定忠治忠臣蔵に関する知識が多ければ多い程、楽しめる作品であった。
『青い鳥』
 スーパー歌謡ショウのものとは異なり、かなり原作に忠実になっているが、それでも無理矢理『ピーター・パン』のネタを混ぜる等の変化が加えられていた。
 複数の原作の影響を受けた作品というのも確かに面白いのだが、こう三作連続となると流石に食傷気味である。加えて、劇中ではまだ『ピーター・パン』の著作権が生きていたのであるから、わざわざその影響を混ぜた脚本を使ったという設定自体が減点要素である。
『快傑!少年レッド』
 サクラ大戦ドラマCD第二期の全てのCDに分割して収録された作品である。全部買わないと話の全貌が見えない。なかなかの商売上手である。
 推理が中心の話なのだが、無理矢理な展開の場所と唸らされる場所が混在しており、50点といった所。
サクラ大戦?轟華絢爛? 第四話 [DVD]

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サクラ大戦2通常版

サクラ大戦2通常版

リア王 (岩波文庫)

リア王 (岩波文庫)

仮名手本忠臣蔵 (岩波文庫)

仮名手本忠臣蔵 (岩波文庫)

青い鳥 (新潮文庫)

青い鳥 (新潮文庫)

ピーター・パン (岩波少年文庫)

ピーター・パン (岩波少年文庫)