サクラ大戦第三期ドラマCDシリーズ

『怪盗・紅蜥蜴〜マスカレイド〜』

 楽屋ネタがほぼ存在しない、正統派の演劇となっている。クライマックスの部分は歌謡ショウとほぼ同じ。ただし前日譚の部分はオリジナル。
 序盤の明智探偵と紅蜥蜴の会話には、『黒蜥蜴』序盤の会話をほぼ踏襲した内容の部分もあった。販売当時、江戸川乱歩著作権はまだ存続していた筈なのだが、その点は本当に大丈夫だったのだろうか?
『新西遊記〜跳んでもハップン〜』
サクラ大戦 第3期ドラマCD Vol.2 新西遊記?跳んでもハップン?

サクラ大戦 第3期ドラマCD Vol.2 新西遊記?跳んでもハップン?

 配役を阿弥陀籤で一新した西遊記であるが、回想シーンではかつての西遊記も描かれている。ゲーム版ではハプニングのシーンしか見られなかったので、これは加点要素である。
 一方、中嶋親方による脚本批判の場面は減点要素である。
 親方は沙悟浄は河童ではないと、日本風西遊記を批判する。その点は正しい。しかし猪八戒を豚ではなくイノシシだとしたのは、大きな間違いである。「猪」という文字を日本風に解釈してイノシシの妖怪だと想像していたのは江戸時代の日本人であり、近代における日本の猪八戒像はそれを修正して原作風に戻したものなのである。
 そしてこの中嶋親方の間違った批判に李紅蘭までが一定の理解を示していたのは、更に大減点である。
幸福の王子〜春風の恋歌〜』
 本番ではなく「公開ゲネプロ」を描いたもの。
 普段よりドタバタ感を出しても平気な設定を十分に生かしていた。
 演劇用語も頻繁に飛び出し、その解説も無理の無い形で行われていて、勉強になった。
『花暦〜帝都の休日〜』
 意思疎通不足が生み出す、日常におけるハプニングを描いていた。今までで一番笑えた。
 久々に舞台劇の部分がほぼ無かった。
 二年後に羽田空港が開かれるという設定も語られていたが、これはその後の作品ではあまり活かされていない。
サクラ大戦歌謡ショウ3 帝国歌劇団 第3回花組特別公演 紅蜥蜴 [DVD]

サクラ大戦歌謡ショウ3 帝国歌劇団 第3回花組特別公演 紅蜥蜴 [DVD]

SEGA THE BEST サクラ大戦1&2(価格改定版) - PSP

SEGA THE BEST サクラ大戦1&2(価格改定版) - PSP