サクラ大戦歌謡ショウ第4回花組特別公演『アラビアのバラ』

 サクラ大戦歌謡ショウの第3回公演と第5回公演を視聴したので、今度はその中間に当たる第4回公演を視聴してみた。
 DVDを回し始めると、本編の前にまずは花組が三つのチームに分かれて前説をしてくれた。
 その中の「美人三姉妹チーム」は、真宮寺さくら・桐島カンナ・神崎すみれによって構成されていた。そしてカンナが21歳を自称すると字幕に「21歳」と普通に出て、さくらが20歳を自称すると同じく字幕には「20歳」と普通に出たのだが、最後にすみれが19歳を自称すると字幕には四つものクエスチョンマークが並べられたのである。
 三人の生年月日を調べた所、カンナが21歳でさくらが20歳という状態は、1925年の夏に約40日間存在するのであるが、この時のすみれは常に18歳でなければおかしいのである。
 やがて本編が始まると、ここでもすみれは19歳と称していた。前説の印象から、これも詐称である可能性を疑ったのだが、どうやら本編では19歳というのが正しかったようである。
 というのも、中嶋親方が大神一郎に向かって「流石海軍中尉!」と言う場面があったのである。大神が中尉に昇進するのはすみれが19歳になってからである。
 なお、この大神中尉が帝都に居てカンナが巴里華撃団の創設を噂話としてしか知らなかった事から、劇中の時代設定は1926年春、大神が巴里に行く直前である事が判る。
 因みに、すみれが19歳を自称する場面では、敵対者が「19年前貴女ジャックにいたでしょ。」と言い、観客が大笑いしていた。「ジャック」とは何か気になったのでWikipediaで調べてみた所、すみれを演じている富沢美智恵氏はジャパンアクションクラブJAC)の養成所一期生であったとの事である。(参照→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E6%B2%A2%E7%BE%8E%E6%99%BA%E6%81%B5#.E7.B5.8C.E6.AD.B4 最終閲覧日時は西暦2013年8月24日8時20分)
 本編の内容は、第3・5回と同じく、前半が劇の準備期間に起きた騒動、後半が劇中劇であった。
 前半の敵は「竜神会」というやくざである。この連中はやたらに強い。前年末のクーデターでは魔神器を奪いに来たクーデター部隊の精鋭に対して善戦していた丘菊之丞を、乱戦の中で簡単に捕虜にしてしまったのである。他にも、神崎風塵流免許皆伝のすみれに一撃を与える等、かなり頑張っていた。彼等との闘いは見所の一つである。
 前半で他に面白かった所としては、『アラビアのバラ』の英訳である"Arabian rose"と、「人生バラ色」を意味するフランスの慣用表現である"la vie en rose"とが、日本語読みをすると酷似しているという高度な駄洒落と、恒例の「カンナの妄想」等が挙げられる。今回はリメイク公演という設定だったので、カンナの妄想は劇の内容を想像するものではなく、藤枝かえでが舞台に上がったらどうなるかというものであった。
 劇中劇の『アラビアのバラ』は、ストーリーも良かったし、個々の演技や衣装にも魅了されたのだが、設定が受けつけなかった。性能の良い短銃が登場する一方で、イスラム色はほとんど見受けられなかった。私がアラビア世界について無知だからかもしれないが、いつの時代のどの辺りの設定なのかがまるで解らなかった。