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序盤・中盤は確かに詰まらなかった。イベントに遭遇しなければ時間が経過しないので、イベントを求めて巴里の街を散々彷徨い続けるだけのゲームだったからだ。ストーリーの内容も、全貌が見えてくるまでは退屈で仕方がなかった。
敵組織の名前が「ディビジョン・ノワール」(黒い師団)だったのもがっかりであった。「黒之巣会・黒鬼会に続き、またも黒かよ!」と思ってしまった。更に巴里では華撃団も「黒」を冠した「シャノワール」(黒猫)に所属しているのだから、マンネリであるのみならずややこしさの点でも問題である。
ただ、エリカ=フォンティーヌの天然ボケだけは相変わらず面白かった。エリカの発言は並の人間には到底思い浮かばない内容のものばかりであり、遭遇する度に感動したものである。エリカの発言だけが楽しみで、眠気を堪えて必死でゲームを続けた。
「おや、これは案外面白いではないか。」と思い始めたのは、事件の全貌が見えてきた終盤になってからである。
まず、事件の黒幕が久々に格好良かった。
フレデリック=ドレフィスは、超能力を持った人外の存在や復活した過去の偉人ではなく、賢人機関の支配を覆して新たな世界秩序を構築しようとする一人の元軍人であった。
そもそも彼が壮大な計画に身を投じたのは、強い愛国心が疎まれて軍隊を無理矢理辞めさせられたからであった。こういった経歴を見るに、「ドレフィス」の名は確実にドレフュス事件で有名な「アルフレド=ドレフュス」を参考にしたものと思われる。攻略本の27ページに記された「ドレフィス」の綴りも"Dreyfus"になっており、これはドレフュスと全く同じである。
彼が計画のために利用した小道具も、元々は賢人機関が使い捨てにしたものであった。
またドレフィスとほぼ同じ計画を、ドイツが国ぐるみで進めていた事も判明する。ドレフィスが頑張ったからこそ、両計画が上手い具合に頓挫したとも言える。
そして最後の最後まで、彼は自分の身を捨てて祖国のために尽くし続けたのである。
以上により、ドレフィスは「悪役」というよりは主人公と相容れないもう一つの正義を背負った敵と見做すべきであると感じた。ここまで素晴らしい敵は、『サクラ大戦2』の京極慶吾以来であり、京極を越えたと言っても良いだろう。
その他、終盤では大きなどんでん返しもあり、最後の一時間で一気にこのゲームが好きになってしまった。
クリア後、封印していた攻略本を読んだ所、私が気付かなかった幾多のやり込み要素もある事が判明した。また28ページによれば、私が『サクラ大戦3』で最も愛したキャラクターである「シゾー」が密かに生き延びており、進め方次第では出会える事も判明した。数時間前までは一度だけやって二度とやらない予定であったが、もうこうなったらとことんやり込んでやろうと思い直した。
余談だが、シゾーが属する「怪人」達はサリュの計画を達成するための生贄であったのであるから、偶然にもシゾーを取り逃がした事こそが巴里華撃団のサリュに対する勝因の一つだった事になる。
最後に幾つか、気になった事や気付いた事を列挙しておく。
1927年9月3日に明智ミキが巴里から兄の明智小次郎に手紙を出した所、その結果として同年10月1日にはもう小次郎が巴里に来た。だが『サクラ大戦3』の冒頭(1926年5月)における大神一郎の発言では、東京から巴里までの移動にかかる時間は約一ヶ月だった筈である。この一年半の間に文明が飛躍的に進歩したのであろうか?謎である。
大使である迫水典通の地位が、10月1日のエビヤン警部の台詞では「駐在武官」になっていた。小次郎に対する自己紹介でも、迫水は駐在武官を自称し、それでいて「大使みたいなもの」とも名乗っていた。そして北大路花火からは「大使」の肩書で呼ばれていた。謎である。
10月2日午後のロベリア=カルリーニの台詞によれば、内臓目的の誘拐というものが既にあるらしい。臓器移植がもう始まっているのだろうか?
10月3日夜、拘留された小次郎が、面会に来たミキと密談をするため、エビヤン警部に席を外させようとする場面があった。日本語で話せば良いだけだろうに。
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