- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2010/02/19
- メディア: DVD
- クリック: 136回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
新米キャバクラ嬢である主人公「杏藤舞」が、最強のキャバクラ嬢を決める戦いに参加するという話なのだが、中々に面白かった。
序盤では、客を金蔓としてしか見ないキャバクラ嬢やライバルを謀略で蹴落とすキャバクラ嬢等が多数登場していたのだが、ビギナーならではの性格を活かしてひたすら誠実の一路で戦いを続ける杏藤舞に、周囲の悪人達も徐々に感化されて人格的に成長していく。
この話の流れは、『韓非子』難一にある「歴山之農者侵畔 舜往耕焉 期年 甽畝正 河濱之漁者爭坻 舜往漁焉 期年而讓長 東夷之陶者器苦窳 舜往陶焉 期年而器牢」という舜の故事を私に思い起こさせた。『宋史』によれば、宋の英宗の妻である宣仁聖烈皇后は旧法党から「女中の堯舜」と称えられたと聞くが、私は杏藤舞にこそこの称号を贈りたい。
しかし手抜きの箇所も発見してしまったので、しっかり指摘しておきたい。以下の写真は、第11話で一瞬だけ登場した雑誌の記事である。
この雑誌の記事の内、下の段の太字の後に始まる後半部分は、前半部分をほとんどそのままコピーして書かれている。具体的には、上の段の「文字にするとなんでもないただの青臭い言葉に聞こえるかもしれません」から始まる六つの段落の内、「平成生まれのひよっこと思われるかもしれませんが、」で始まる段落のみを削り、その前後の段落を一つの段落に纏め、四つの段落と化したものが、後半部分なのである。
家庭用の録画機器が少なく性能も低かった時代ならいざ知らず、西暦2009年にもなってこの種の手抜きをするというのは、非常に時代遅れの発想である。
劇中で多くのキャバクラ嬢の意識を改革した杏藤舞も、番組製作陣にプロ意識を植え付ける所までには流石に至らなかったようである。
それにしても私は、何を見ても細かい事が気になってしまうという、ある意味では不幸な人間だと思う。
(類似記事→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20131026/1382725010)
- 作者: 韓非
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/06/16
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (5件) を見る