『牙狼<GARO>〜MAKAISENKI〜』全話視聴計画(第5〜12話)

第5話 奈落
 人間が作った芸術的マンホールを悪用するホラー「デスホール」が出現する。
 デスホールに憑依された女性を演じたのは、『RED REQUIEM』ではシオンを演じていた江口ヒロミ氏。戦いの際にマンホールを持って行った身動きは、かつての鏡を持っての身動きに似ていた。
 終盤、マンホールの製作者は亡霊に祟られて都合良く死んでくれる。魔戒騎士は人間を殺せないので、この事件が無ければ、工場の設備を丹念に破壊する等の面倒な作業が待っていたであろう。
第6話 手紙
 「破滅の刻印」が、鎧を召喚する度に命を削るものだと判明する回である。この設定から考えるに、これは魔戒騎士を無力化するためだけに作られた新式の呪いの様である。
 零に毒が効かないという設定も判明。
 なお前作でも、御月カオルの作った料理が、第四話で親友を病院送りにし、第五話で倉橋ゴンザを嘔吐させたものの、鋼牙は不味がっただけで済んでいた。
 よって零の毒への耐性は、個人としての特異体質ではなく、魔戒騎士としての能力である可能性が高い。
第7話 閃光
 赤い仮面の男が再登場する。その声は完全にレオと同一人物。これで「レオ=赤い仮面の男」はほぼ確定である。
 とはいえ、俳優が同じなら劇中でも同一人物だと限った訳ではない。「双子の兄」だのという可能性もあるにはある。今後も注意深く見守っていきたい。
 赤い仮面の男は鋼牙との戦いにおいて、鋼牙のものと酷似した鎧を召喚してみせる。しかし鋼牙は相手の鎧が自分のコピーだと見抜き、自分が生身に戻る事で、赤い仮面の男をも生身に戻す。これは前作の対コダマ戦の経験が参考になったものと思われる。
 終盤、鋼牙との戦いで疲れ切った赤い仮面の男が、仮面を外して休息する場面がある。この仮面は口元まで覆ってはいないというのに、それでも休息のために外したという事から、重かったり蒸れたりで、体力に悪影響をもたらす仮面だという事が判る。
 赤い仮面の男がそれでも戦闘の際にも敢えてその様な仮面を付け続けていた動機が、単なる趣味という可能性は到底有り得ない。間違いなく変装のためである。
 前作では魔戒騎士を兼務していた道寺ですら変身薬を作っていたが、どうやらこの赤い仮面の男には作れない様である。
 中盤で偉そうにしていたラテス法師は、重要物である霊獣の毛皮を渡しそうになった相手が魔戒法師ではなく赤い仮面の男が操る死人である事を見抜けなかった。無能なのか、それとも赤い仮面の男と通謀していたのかは、今の所不明である。
第8話 妖刀
 零が主役の回。鋼牙は一切登場しない。
 時代劇風の始まり方をしたりと、中々の異色回である。
第9話 化粧
 芝居の天才に憑依したホラーから、舞台で主役の御株を見事に奪ってしまう鋼牙。この決定的場面の演技は実に素晴らしく、小西遼生氏は本当に良い俳優になったものだと改めて思った。こういう話の流れは、前作では難しかっただろう。
第10話 秘密
 「レオ=赤い仮面の男」としか思えなくなる様な、各種の要素が更に加わった回である。
 ここまで怪し過ぎると、「実は裏をかいて双子でした。」ですら、最早どんでん返しの範疇に入らない。「裏の裏をかいてやっぱり同一人物でした。」とでもしなければ意外性が無い。
 日本的な街並みの風景が異世界化され、狐面の童子等も登場する。『ねじ式』の影響が強い、というか、日本的な風景を異世界化する際に『ねじ式』の影響を逃れるのはほぼ不可能な事なのかもしれない。
つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫)

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第11話 咆哮
 絵と映像作品を融合させた、実験的な回。同じ実験は既に『暗黒騎士鎧伝』で行われているが、当時よりも遥かに洗練されていた。
第12話 果実
 また零が主役の回。故に舞台は東の管轄である。
 数年前に零が交通事故から救ったという設定の少女が登場する。そしてそれを機に零が甘いもの好きになったという設定も語られる。
 前作で、零が東の管轄に来たのが第六話、ケーキを大量に注文したのが第七話なので、二人の出会いの時期はかなり狭く限定出来そうである。