魔法少女まどか☆マギカ 6 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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暁美ほむらの来歴が語られる。
元来は弱弱しいキャラだった事が明かされる。
最初に彼女が居た世界では、第1話における彼女による邪魔がなかったせいか、鹿目まどかが順当に魔法少女となり、巴マミと共に戦っている。
今までのオープニングで死亡後もマミが延々と登場している事から、彼女の再登場は予測していたが、まさかこんな形で再登場するとは思わなかった。
ワルプルギスの夜、まどかは戦死する。
ここでほむらはまどかの死という結果を改善するため、時間を止めたり巻き戻したりする力を得る代償に魔法少女となる。そしてまどかとの出会いをやり直す。
そして三人が連携して魔女と戦う世界が始まる。それなりに戦闘が面白いので、これはこれでいつか外伝として全十二話でやって欲しいと思ったものである。そしておそらくは実際にそういった商業展開の可能性も視野に入れた脚本であったのだと思われる。
努力の結果、二周目の世界のワルプルギスの夜では、まどかは辛うじて生き延びる。だがまどかのソウルジェムが限界となり、まどかは魔女になってしまう。そしてほむらはキュゥべえのカラクリを全て見抜く。当然またもや時間を遡って、現実を伝えに行く。
だが中々仲間は話を信じてくれない。美樹さやかが魔女になるとようやく信じてもらえるのだが、自分達の魔女化を避けようとしたマミが佐倉杏子を殺し、更にはほむらまで殺そうとする。それを阻止しようとして、まどかはマミを殺す。
努力の結果、三周目の世界も事態は二周目よりほんの少し改善され、まどかは次は自分が魔法少女にならない世界にして欲しいという遺言を残せた。その依頼を忠実に実行しているのが、四周目以降のほむらだったのである。
してみると、第1話においてまどかが見たほむらが戦っている夢は、この作品の基調となる世界がほむらのn周目の世界であるとするなら、おそらく(n−1)周目の世界で現実に起きた戦いだったのであろう。
不思議なのは、三周目までの魔法少女まどかがさして強くないのに、四周目以降の魔法少女まどかが強力な存在である事だ。ほむらの行動や精神がまどかに何らかの作用を与えているのだろうか?
最後にいつものオープニング曲がエンディングとして始まる。「かわした約束忘れないよ。」で始まるこの歌を敢えてこの時間になって流したのは、「かわした約束」が意味するものは「ほむらはまどかが魔法少女になるのを防ぐ」だった事を伝えようとする意図からであろう。歌詞を詳細に聴き直してみると、全ては半永久的な努力を続けるほむらの独白として解釈出来る内容であった。
このほむらの繰り返される戦いは、前述の外伝制作のみならず、ゲーム化とも相性が良さそうである。例えば、限られた時間と体力を、他の魔法少女との友好度上げ・魔女退治とグリーフシード集め・キュゥべえの邪魔・武器集めといった各種任務に、上手に配分していくゲーム等はいかがであろうか?当然一周目でベストエンディングを見るのは至難の技だが、武器開発の知識等のデータを引き継いで何度も最初からやり直している内についにやがてベストエンディングに辿り着くという・・・。
なお、「非常に大人びた少女だが、無限に近い長さの経験を積む前は実は無力で控えめだった」という設定は、『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』のTURN15「C の 世界」の影響があるのかもしれない。
コードギアス COLLECTION コードギアス反逆のルルーシュ R2 DVD-BOX
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前回の疑問を早速キュゥべえが解いてくれた。この世界の鹿目まどかの才能の異様な高さは、やはり暁美ほむらが彼女に固執して何度も世界をやり直したせいとの事である。
ほむらはキュゥべえを責めるが、人間も魔法少女の力の恩恵を受けて発展してきた歴史を教わり、単純には責められない事を知る。
キュゥべえは、自分達と人間の関係を、人間と人間に飼育され食われる運命を背負っているが故に生存競争の脅威から守られ繁栄している家畜の関係に喩える。
岩明均の『寄生獣』でも似た様な発言があったが、あれは人間の飼育者ではなく捕食者だったので、どうしても納得がいかなかった。また名作の誉れ高い藤子・F・不二雄の『ミノタウロスの皿』では、確かに人類そっくりの知性と外見の家畜が登場していたが、それを食べる側の知能や文明の程度も作中の人類と同程度だったので、本質的な所で私の心を響かなかった。しかし本作は非常に見事に人間と家畜の関係を別の何かと人間の関係に置き換える事に成功していると言える。
ワルプルギスの夜で登場した魔女は、巨大な歯車を備えた姿であった。ほむらの能力も歯車に頼るものなので、彼女が半永久的に繰り返し戦った宿命の相手として相応しい。あるいはこの魔女もまた、かつてはほむらの様に時間を操る力を持ち、何らかの悲劇を回避しようとして絶望した魔法少女の成れの果てなのかもしれない。
ほむらは今回もワルプルギスの夜を乗り越えられなかったので、一度はいつもの様に時間を戻そうとする。しかし今回はキュゥべえとの対話で自分の努力がまどかの運命を変えていた事を知っていたので、それを躊躇してしまう。そして絶望の末に魔女になりかけるが、そこにまどかが現れる。
- 作者: 岩明均
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ミノタウロスの皿: 藤子・F・不二雄[異色短編集] 1 (1) (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
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今回が最終回である。
第2回の感想(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20120618/1340029406)で私が考えた解決法に近い願いを鹿目まどかは行う。ただ、魔女の発生を防ぐという事には成功したものの、戦いを強いられないようにという願いは加えなかったため、「魔獣」との戦いは新世界でも続いているらしい。
あるいはこの新世界の数ある平行世界の中でも、やがて第二のまどか的存在が現れ、魔獣すらいない、更に素晴らしい世界を作ってしまうかもしれない。
またまどかのいた悲劇的な世界とて、より悲劇的な世界を第零のまどか的存在が改良して発生した世界なのかもしれない。
その度ごとに、全ての平行世界の全人間の人生・人格は御破算になっているのだろうが・・・。