「大神一郎≒ゼウス」仮説

 サクラ大戦シリーズの「山崎真之介=ルシファー」・「藤枝あやめ=ミカエル」という図式は、公式設定でもあるため余りにも強烈である。だが私はシリーズの人間関係にはギリシア神話の影響も重なっていると考え始めた。そして「大神一郎≒ゼウス」という結論に達した。
 これは既に誰かが思いついているだろうと思ったのだが、検索した限りではまだ誰も書いていなかったので、発表する事にした。
 帝国華撃団の最初の敵は「黒之巣会」である。これはギリシア神話の「クロノス」から来ている事は明白であるが、この名を知ってから今日まで約三ヶ月間、それ以上の発想は閃かなかった。
 以前私は「ルシファーの山崎真之介が発明した兵器が世界中を守っていると思うと、中々に皮肉な話である。」と書いた(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20130413/1365818264)。これを読み直している内に、山崎は多くの神々の父であるクロノスでもあったのではないかと思い始めたのである。
 黒之巣会の首領は一応南光坊天海であるが、実際に黒之巣会を動かしていたのは山崎であった。彼の別名の中に「黒き叉丹」という「黒」を冠したものがあるのも、その辺りの事情を反映していると思われる。
 ギリシア神話でクロノスは、まず父であるウーラノスを排除して権勢を誇った。次に妹でもあり妻でもあるレアーと間で複数名の子を成したが、彼等をほとんど全員食べてしまったのである。だがレアーが逃したゼウスに背かれ、同族のティーターン達と共に滅んだのである。
 山崎も、まずは父親的存在とも言える米田一基に背いた。そして自らが設計した機体に乗る帝国華撃団を追い詰めていった。しかし妹や妻にも比すべき存在である藤枝あやめが土壇場で大神一郎の側に付いたため、部下である降魔と共に滅んで行ったのである。
 「山崎真之介≒クロノス」とすると「大神一郎≒ゼウス」という事になりそうである。以下、この仮説を補強する論拠を列挙する。
その1 名前
 「大神」は一般に「狼」に通じるとされる。確かに彼の必殺技の名称を見るに、そうした側面もあるだろう。しかし素直に読む限り、「大神」とは「大いなる神」である。そして「一郎」は、大いなる神の中の筆頭である事を意味する。
その2 立場
 大神は名目上は一介の尉官であるが、日本の命運を左右し得る帝国華撃団と欧州防衛構想の要である巴里華撃団を傘下に置き、両者を合わせて「大神華撃団」と称している。巴里華撃団は大陸間弾道弾を利用して世界の何処にでも出撃出来る。しかも大神の甥や親友がアメリカで台頭しつつある。こうなると事実上の世界の王である。
 実際大神は現実世界で言う所の「三種の神器」に当たる器物を自分一個の判断で勝手に破壊しているが、咎められた形跡が無い。
その3 恋愛関係
 ゼウスは複数の女性に見境無く手を出す事で有名である。特に水浴びをしている女性に手を出す事が多い。そして正妻のヘーラーは極端な嫉妬深さで有名である。
 大神も複数のヒロイン達と恋愛関係を繰り広げる。また風呂やシャワールームに女性が入っていると、時として体が勝手に動いてしまう特性を持っている。そしてヒロイン筆頭の真宮寺さくらは異常に嫉妬深いのである。
その4 二位と海
 ゼウスに次ぐ実力の持ち主は、海神ポセイドーンである。
 士官学校首席の大神一郎に次ぐ次席の同期生は、口癖が「海はいいなぁ〜」の加山雄一。

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