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処刑されるマリー=アントワネットを見てトゥールネル伯爵は「力は永遠ではない、永遠こそが力なのだ」という、明らかに矛盾した信念を持つ。
その後、彼が錬金術を極めて不老不死になり、地下に閉じ込められた事が示唆される。
彼を救ったのはイタリアのマフィアである。これはゲーム版『サクラ大戦3』の最終決戦とほぼ同時期と思われる。
その後、大神一郎が帰国した後の巴里花組を描いた本編が始まる。
ゲームでも感じた事だが、巴里華撃団では帝国華撃団と違って「月組」が存在しないせいか、花組が諜報任務まで負わされる事が多い。今回も仕事は墓泥棒探しから始まる。
この任務の最中に、北大路花火の父である北大路正道が登場する。花組は花火が働いている場所がサーカスであると正道に思い込ませようとする。
しかし偶然にもサーカスの地下からトゥールネル伯爵が作ったホムンクルスが登場し、大荒れになる。団員が皆生身であったからかなり苦労したものの、ホムンクルスを倒す事には成功する。
メル・シー・スパイ
前回捕獲したホムンクルスの調査が難航する。ここでは1927年初頭に東京で正体が暴かれたばかりのダグラス=スチュワート社のヤフキエルとの比較まで行われている。巴里華撃団は中々に耳が速い。
今回は、巴里華撃団の秘密を探ろうとするイギリス諜報部との戦いが描かれる。
メル=レゾンとシー=カプリスは老人の妖術によって一時的に持ち場を離れる。このため、英国紳士が紛失した時計についての責任を取らされる。そして三日以内に発見しなければ、ロンドン警視庁の捜査がシャノワールに及ぶという設定が語られる。これではフランスはほとんど属国に近い立場だという事になる。この世界におけるイギリスの威勢は凄まじい。
この時点では、「イギリス諜報部、畏るべし!」という印象が強いのだが、話が進むにつれて、件の時計が本当に巴里の泥棒に盗まれていた事が判明したり、巴里華撃団の本部についてもまだシャノワールだと特定出来ていない事が判明したりして、諜報部はその精彩を失っていく。
雷の尖塔
ホムンクルスの研究が進み、特殊弾を使えば瞬殺出来る所まで来る。
トゥールネル伯爵はエッフェル塔を怪物化し、雷の力で巴里を攻撃する。その威力は凄まじく、シャノワールの地下倉庫に格納されていた光武F2もエリカ機以外は出撃不能になる程であり、また計算上は一晩で巴里を壊滅させる能力を持っているとの事であった。
世界一高い塔から雷が発せられ、また人間の傲慢さを諫めるだのといった発言も登場するので、これはバベルの塔を参考に作られた話であると思われる。だが肝心のトゥールネル伯爵自身は強烈な無神論者である。
さて、この攻撃力だけを見ればシリーズ史上最強級の塔だが、特殊弾が開発されていたせいで、たった一機の光武F2に瞬殺されてしまう。年末にホムンクルスの実験体を無駄に暴れさせたのが命取りとなったのである。
「実に間抜けな敵だったなぁ!」という感想を持ったのも束の間、トゥールネルを操っていたマフィアのドン=ジョバンニが、建設業界の巨頭達と祝杯を上げる。巴里が壊滅しない程度に被害を受けたのは、全て彼等の計算通りだったという訳だ。
「都市の闇を産むのは都市自身だ。」という、シリーズの根本を再確認させられた気分である。一時的にその構造を打ち破った華撃団構想もまた、所詮は新たな悲劇の構造の歯車に収斂されていくのだろうか?この問題は、『サクラ大戦V EPISODE0』や『サクラ大戦V』でアメリカ大統領が敢えて正規軍を温存させた件とも繋がっていそうである。もっと遡れば、『サクラ大戦2』で京極慶吾に呼応した財界人の中にも、初めから京極の惜敗程度の結果を狙っていた者も居たのかもしれない。
神崎すみれ引退記念 す・み・れ
「サクラ大戦巴里華撃団OVA Blu-ray」に特典映像として入っていた。
霊力が低下した神崎すみれが引退公演を行う話である。すみれの視点から、光武開発史と帝国華撃団の戦史を振り返る事が出来た。
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