今更ながら在特会問題への興味を高めた理由

 前回記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20130502/1367425679)の橋下徹氏に引き続き、私は今更ながら在日特権を許さない市民の会」(以下、「在特会」と表記)への興味を高めた。
 興味を高めた直後は、「在特会」はその主要な反対派も含めて既に語り尽くされている部門だと思っていたのだが、後述する通り、検索した範囲内では私が気付いた事を先に語っている人が見当たらなかった。そこで一応私にも屋上屋を架さずに何事かを語る余地が残されていのだと思い、多くの人々の思考の役に立とうと、新参者の身を省みずに蛮勇を振るって記事を書いてみた次第である。
 
 在特会に反対する「レイシストをしばき隊」(以下、「しばき隊」と表記)という団体が誕生した事は、かなり有名な話である。
 しばき隊にデモを妨害されたとして、在特会が日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた事も、かなり広く知られ、議論の対象になっている。私もこの議論を見掛ける事で、在特会への興味を今更ながら高めた。
 だが、在特会側が問題視した「デモに付き纏ってデモ隊の属性を決め付ける」というしばき隊の行為について、それが七年半前に起きた「人間の鎖をさらに囲むOFF」の行動に類似している事を指摘している人は、私が検索した限りでは見当たらなかった。
 この事件は、西暦2005年夏に「『つくる会』の教科書採択に反対する杉並・親の会」がデモを行った際に、「新しい歴史教科書をつくる会」の支持派がデモ隊を「中国・韓国の奴隷」と決め付ける等の行為をしたものと記憶している。
 在特会対しばき隊とは逆に、この時は一般に「左」に分類される勢力がデモの側であり、一般に「右」に分類される勢力がデモに反対する側に立っていた。
 互いに、明日は我が身である。
 
 在特会の活動を切っ掛けに盛り上がった「デモにおけるヘイトスピーチを規制するか否か?仮に規制するなら基準はどう設けるか?」という議論は、結論がどう転んでも必ずしも左右の一方のみの利益にはならないだろう。これについては大半の論者が弁えている様に見受けられる。
 そこで是非とも、「デモを集団で追い駆けて貶める行為を規制するか否か?仮に規制するなら基準はどう設けるか?」という議論においても、私が偶然記憶していた「人間の鎖をさらに囲むOFF」を思い出したり知ったりする事を通じて、自派の目先の利益を越えた判断・主張をなるべく多くの人にしてもらいたいと思う次第である。