『牙狼<GARO>〜魔戒ノ花〜』全話視聴計画(第12〜15話)

第12話 言霊
 卵から孵化し、ヒナの状態を経る等、霊獣に関する設定が新たに幾つか紹介された回である。
 ホラーとの対決が無かったので、過去のシリーズを視聴していない人や霊獣に興味の無い人には、少々退屈だったかもしれない。
第13話 凶獣
 ホラー討伐の帰り道で、雷牙とマユリはクロウに出会う。クロウは「影の者」の集まりである「月光の儀」に参加しに行く途中であった。
 この月光の儀に関しては謎が多い。
 当初は、オルヴァは「魔戒剣を浄化する儀式」と説明し、クロウは「あくまで形式的なもの」と言っていた。しかし儀式の準備が失敗し、井戸から「バルク」という獣が逃げ出して暴れ、多くの死者が出た後では、クロウは「我々はバルクに魔戒剣を刺す事で、溜まった邪気を浄化しています。」と説明を変える。その後、ザルバが「その体内にホラーを封印する事の出来る獣」について聞いた事があると言うと、剣からバルクの内側に移されていたのは「邪気」どころか剣で封印したホラーそのものであるというのが話の前提となる。
 この流れを見る限り、クロウはなるべくなら儀式の実態を隠したかったのだと思われる。
 封印したホラーは十二体ずつ番犬所から魔界に強制送還するというのが、初代『牙狼GARO>』「約束」で語られていた設定であるが、「影の者」が何故それをしないのか、謎である。
 またいつもならば一番乗りをする筈の「エイジ」という騎士が、この日に限っては来なかったらしい。エイジは最後まで登場しなかった。
 そしてクロウは師匠の「タイシ」に会えるのを楽しみにしていたのだが、これもそれ以上は語られないまま終わる。スタッフロールを見ても、「タイシ」は存在しない。影の騎士達の誰かを普通名詞の「大師」と呼んでいたのか、事故で真っ先に殺された「魔戒騎士A・B」のどちらかがタイシだったのか、タイシもエイジと同じく今日は来なかったのか、それともタイシの存在そのものがクロウの嘘だったのか、謎のままである。
 色々とクロウに関する謎が深まった回であったが、かつては単に魔導具と見做していたマユリをクロウが命懸けで助けた場面もあった。
 またマユリについても、雷牙ですら斬ろうとしたバルクを静かに死なせてやろうとして、そのために自分の命まで賭ける場面があった。
 霊獣を描いた話の直後に、魔獣の話を持ってくる構成は中々に見事である。前回は霊獣を保護するという綺麗事の話であったが、魔戒騎士・魔戒法師達は一定数の霊獣を狩ってその毛皮を活用しているのである。自己の利益のために獣を好き勝手に利用している点では、表の魔戒騎士も影の魔戒騎士も同じである。
 なお、エンディングでは、いつもは雷牙が出てくる場面でクロウが出てきた。今回は彼こそが主役だったという事を意味しているのだと思われる。
第14話 変身
 ついにエイリスを体に宿した石板ホラー「イドラ」を倒す。イドラから飛び出したエイリスは開花してこそいなかったものの、既に発芽し、蕾も付けていた。
 マユリはエイリスを封印しようとするが、逃げられてしまう。どうやら生き延びている石板ホラーがいる限り、瞬時に転移出来るらしい。こうして運の良し悪しに関わらず全九体がノルマと判明する。
 中盤ではマユリの調整のため、魔戒医学の最高権威である四道法師が元老院からやって来る。
 四道の話によると、マユリは数十年前にホラーに憑依された魔戒法師から産まれたらしい。旧魔戒文字が読めた事から、マユリが生まれたのは数千年前ではないかとすら思っていたのだが、案外にも最近誕生した人物であったようだ。
 マユリはホラーを封印する力を持っており、これは過去に類例が無いらしい。前回は、影の魔戒騎士「ゲント」がマユリは魔導具だから破壊してもまた作れば良いと主張し、マユリもそれに同意していたのだが、四道の話を聞く限りでは代替は有り得なさそうである。
 マユリはバルクを救うために自分の内なる「篭」を開いたため、邪気が漏れ出し、調子を崩していたらしい。イドラも完全には封印出来なかったらしく、体内で暗躍するイドラのせいで、一時はホラー化寸前の状態となる。だが雷牙が命懸けでイドラと再戦したために、助かる。 
第15話 紅茶
 ゴンザがインタビュアーの質問に答える形で、今迄の粗筋や主要登場人物の紹介が語られる。
 雷牙の両親が異世界に行ったのが、雷牙が六歳の時であると判明する。
 牙狼シリーズの総集編は毎度ながら捻りがあるが、今回も素晴らしいどんでん返しをしてくれた。