『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』全話視聴計画(第13〜23話)

第13話「沼」
 流牙とガルドの信頼関係を深めるために用意されたような回。強敵を一緒に倒した事で、最終決戦に向けての連帯感が向上する。
 またDリンゴの商品の力とハルナの能力が組み合わさった事で、ラダンの位置も特定される。それなりに苦痛を伴う秘術の描写はあったが、それでも今までの苦労が嘘みたいな展開である。流牙とガルドが最初から手を組んでいれば、もっと早く事件は解決していたかもしれない。
第14話「標」
 登場人物の回想を通じた総集編。
第15話「砦」
 ラダンが復活する満月の日の昼が舞台。
 皆でラダンのあるビルについて色々捜査をしたり策を練ったりした結果、夜の方が落とし易いという事で、夜に攻める事になった。随分呑気な話である。
 タイムリミットが「満月の夜の零時」等と特定されていたならばまだ理解出来るが、夜になった途端にラダンが復活したらどうするのだろうか?
第16話「戦」
 流牙・莉杏・ガルド・ダイゴが、ジンガの待ち構えるビルに突入する。途中からリュメも合流する。
 これで戦力的には万全で、問題はタイムリミットのみと思いきや、ジンガ・アミリのコンビに随分苦戦してしまう。三日前と比べてジンガが格段に強くなったのは、ラダン復活に備えて一気に多くのホラーを食べたからなのであろうか?
 結局、ジンガはラダンと莉杏を連れたままビルから上手に逃げてしまう。
第17話「鏡」>
 リュメはアミリを捕縛し、残った三人にそこを動くなと命令してジンガを追う。互いに一人ずつ人質を確保した形となる。
 しかし、今のジンガは既に流牙以上であり、低めに見積もっても流牙と同等である。流牙に劣る阿号にすら負けたリュメ一人で何が出来るかと心配になった。縛られた人質の監視ならば一人いれば十分であり、せめて一人ぐらいは連れて行けば良かったと思うのだが。
 あるいは残しておく人数が少ないと監視役がアミリに騙されてしまうと思ったのかもしれない。だが流牙・ダイゴ・ガルドの知能は、三人合わせても文殊どころか絶体絶命状態のアミリにすら全く歯が立たず、上手に言いくるめられた挙句流牙は魔鏡に閉じ込められ、アミリは逃亡に成功する。
 アミリの思い出話を信じる限りは、ガルドとハルナの真の故郷を壊滅させたのはジンガ・アミリの夫婦であり、その原因は先に村人が二人の息子を殺したからであった。しかしこの話がどこまで真実かは不明である。
第18話「闇」
 ジンガに挑むリュメは、案外善戦していた。どうやら魔鏡が無いとジンガは全力を発揮出来ない様である。しかし前回ビルから逃亡したアミリが駆けつけたので、結局は負けてしまう。どうせ逃亡されるのならば、やはり監視役の一部を戦力に加えておけば、アミリが来る前に勝てていたかもしれない。
 その後、アミリを追ってきたダイゴ・ガルドが戦いに加わる。
 流牙は魔鏡の中での精神的に苦しい戦いを乗り越え、闇の力を敢えて取り込んでパワーアップし、帰還する。
 これで一気に形勢は逆転し、ジンガは致命傷を負う。
 ここでさっさとラダンを封印して欲しかったのだが、何故か悠長な会話が始まり、結局はラダン封印は間に合わずに失敗する。
 第13話からずっと「ああすればもっと良かったのに」という件が多過ぎ、それは一面では確かにリアリティがある展開ではあるのだが、見ていてどうしてもやきもきしてしまう。
 死にかけたジンガは自分の魂を莉杏の中に移して、肉体だけ消滅する。
第19話「心」
 ジンガは莉杏の身体を乗っ取ろうとし、半ば成功するが、莉杏が自分の内面と向き合い心の醜い部分も自分の一部として受け入れたため、結局は失敗する。
 自分の弱さを滅ぼすのではなく、それを上手に飼い馴らす事で強くなるというのは、前回の流牙の成長と同じである。
 私が知る限りでは、この類型の向上を重視する姿勢はアニメ版の『魔法騎士レイアース』にまで遡れるが、しっかり調べればもっと昔からあったのかもしれない。
 懸案のラダンは、王に相応しいジンガが不在のため、身を隠しているらしい。
第20話「泉」
 莉杏の中にいるジンガを完全に浄化するため、特殊な泉を使った儀式が行われる。
 しかし乱入してきたアミリがジンガの魂を莉杏から吸い取り、ジンガはアミリの身体を乗っ取って復活する。
 頭数だけで言えば、味方は莉杏が復活し、敵は一得一失なのであるから、一歩前進した回と言える。しかし玉座に相応しい人物が復活した事でラダンが活性化する可能性が高く、寧ろ不利になった雰囲気である。
第21話「王」
 ジンガを追ったダイゴが負傷する。
 ジンガはアミリを体内から吐き出す。
 こうしてまた敵の数が増え、味方の数が減ってしまった。
 しかもラダンはジンガを王と認め、姿を現す。
 皆の協力を得て結界を破りラダンの所へ流牙が駆けつける場面は、映像としては確かに格好が良かったのだが、自力で轟天を召喚出来ないが故にバーチャルな馬を作って貰ったり、結局は間に合わなかったりと、冷静に視聴するとかなり格好が悪い。
第22話「城」
 ジンガが玉座に座った事でラダン城は巨大な兵士の姿になり、ラインシティに攻め込もうとする。
 ラダン本体が辿り着く前にも、前座のミサイルがラインシティを襲う。リュメ達がミサイルを落とす役になるが、一部はラインシティまで届く。これらはDリンゴ達が防ぐ。ここでDリンゴを手伝った人達の中には、今まで牙狼に救われた人々が数多く混じっていた。
 ラダンは巨大な鉾の様なものももっており、人類史を終わらせるのを目的で動いている。デザインといい設定といい、『風の谷のナウシカ』の巨身兵の影響が強い。
 ラダンの内部では流牙とジンガの戦いが始まる。
 アミリは「月」と称する球体の中で、蓮華の様なものの上に座り、ラダン城の運行に必要なユニットの役割を果たす。その姿勢はさながら曼荼羅に描かれた菩薩である。映画版でもそうであったが、今期の『牙狼GARO>』は悪役に仏教を投影する場合が多い。
 莉杏はアミリと戦う。
第23話「嵐」
 話のほぼ全てが戦いに費やされ、後日談はほとんど無かった。
 流牙はもう散々ジンガとは衝突しているので、折り合いがつかないと解りきっても良い筈なのに、ジンガの言動に最後まで一々腹を立てていた。もっと早く見切りをつけ、ジンガの発言を無視して斬り殺すぐらいの度量を見せて欲しかったものである。