「コリ語」で解決

 言語を話題とした友人達の会話をボーっと聞いていたら、「コリ語」という単語を耳が拾ってしまった。
 最近古典ギリシア語を学んでいる私は、「私がアッティカ方言の学習だけでも苦労しているというのに、ひょっとしてこの人はもうコリントス方言(ドーリス方言)の学習までしているのか!」等と考えながら、「『コリ語』って何ですか?」と聞いたら、「『コリア語』の略ですよ。」と言われた。
 朝鮮半島の地名や国名の表記に関する問題については、当ブログでも何度か論じてきた(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20091101/1257070508http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20091229/1262086396)。しかしここに「コリア」という第三の選択肢を用意すれば、かなり多くの局面で問題を回避出来るだろうと、遅まきながら気付いた。
 例えば、NHKの語学番組が南も北も怒らせないように「ハングル」という題名で上手く逃げた積もりになっている事は、呉智英からしばしば批判されているが、同じ逃げるのなら「コリア語」の方がより正確であろう。読解・作文の偏重を回避する事こそラジオ・テレビの語学番組の最大の魅力なのに、文字の名を番組の題名にしては興醒めである。
 呉氏で思い出したのだが、「中国」と呼ぶか「支那」と呼ぶかという問題でも、多くの場合において「チャイナ」という選択肢もあるという事を、多くの人に気付いて欲しいものである。