銀座人形館(http://www.angel-dolls.com/index.html)で三輪輝子先生の個展が開かれています。滅多に無い機会ですから、万難を排して駆けつけました。
どの作品も、当然ながら非常に美しかったです。
今までの私は、西洋人をモデルとしたビスクドールが大好きである一方、日本人をモデルとしたビスクドールは、先生の作品をも含め、どうにも好きになりきれませんでした。
ところが本日は、先生の作風が変化したのか、それとも展示の仕方が非常に上手だったのか、展示されている三体の日本人人形全てが気に入りました。
この一件だけでも、私の心象の大変化でした。
そしてもう一つの変化が私の精神に起こりました。
人形達を何故私はこうも美しいと思うのか?人形と向き合いながらそれを突き詰めて考えたところ、彼女達の置かれた人界という背景が過度に醜いからだという結論に達しました。
イデア界にあっては、無垢で美しい人形も正に路傍の小石同然。仏の希少価値が最も高いのは地獄界。ならばこの世界は、醜ければ醜い程、彼女達の良き引き立て役を務めていると言えましょう。
そう思った時、人間の心の醜さに対して、今までより少しだけ寛容になれた気がしました。
人形館を出ると、外はもう真っ暗でした。そしてクリスマス商戦の前哨戦が既に始まっていました。