ふっかつのじゅもん関連

 昨日私は、『ドラゴンクエスト』初期三部作の諸王には遠隔地の死者を復活させて呼び戻す能力があるという説を提示した(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110404/1301903522)。本日はこの説に関する話題を幾つか語ってみたい。
 その1。ふっかつのじゅもんを唱える者自身は復活出来ない可能性が高い。
 ふっかつのじゅもんを唱える者自身もまた他者によるふっかつのじゅもんで復活し得るならば、各国の王は念のため相互にふっかつのじゅもんを掛け合う筈である。しかしムーンブルクの王は復活出来なかった。
 その2。ムーンブルクの王女が犬にされたのは、父以外に(も)ふっかつのじゅもんを掛けられていた可能性が高かったから。
 しばしば「ハーゴンは王女を殺しておけば良かったのに、何て馬鹿な事をしたんだ。あるいはせめて、自分の勢力圏に確保していれば良かったのに・・・。」という意見を目にする。しかしただ殺すだけでは、他の地域で王女が人間のまま復活して直ぐに修行を開始するという可能性が非常に高い。また海底洞窟やロンダルキアに連行しても、その後で自殺されては、やがて呪いが解けた時点で様々な情報が人類の側に筒抜けになってしまう。やはりハーゴンが実際に採用した選択こそ、世界征服以前のロト一族対策としては最高のものだったのである。
 その3。オルテガは、キングヒドラに負けた後も、どこかで生きている。
 キングヒドラに負けたオルテガは、その後もそれなりに長い発言をしている。二度と復活出来ない程の損傷を臓器に受けたとは考えにくい。伝言の直後に彼の体が勇者達の前で完全消滅したのは、死と同時に彼は直前に契約をしていたどこかの王の所へ舞い戻されたからであろう。
 伝言である謝罪の文言は、確かに永久消滅する直前の人間の発言としても受け止められるが、単に自分が今後ゾーマに勝つ見込みがほとんど無いと認識した人間の発言であるとも解せる。
 その4。初代『ドラゴンクエスト』のラダトーム王がふっかつのじゅもんを習得した時期は、ゲーム開始時点の直前である。
 まずゲーム開始時の半年以上前にふっかつのじゅもんを習得していたならば、ローラひめは父にふっかつのじゅもんを掛けられていた筈である。その場合、人質にされてもさっさと自殺して城に帰還している筈である。
 ただし、ローラひめ自身もまた本稿「その1」で語った「ふっかつのじゅもんを唱える者」だった可能性がある。そこでもう一つ証拠を用意した。
 「ローラひめのそうさくたい」はゲーム開始時点で既にほぼ全滅しており、最後の一人はラダトームの町の宿屋に逗留している。彼は主人公に王への伝言を依頼している。
 ラダトーム王が「そうさくたい」に意図的にふっかつのじゅもんを掛けないという事はありえないだろう。捜索隊派遣後に過去に失われていた秘術の再生に偶然成功したものと思われる。
 その5。初代『ドラゴンクエスト』の主人公は、長年命を惜しんでいた。
 りゅうおうが侵略を開始しようが、ローラひめが攫われようが、長年の間スライム一匹とすら戦わなかった男である事は、ゲーム開始時のデータから明らかである。全財産を使い果たした頃、幸運にもラダトーム王がふっかつのじゅもんの秘術の再生に成功した事を聞きつけ、馳せ参じたものと思われる。

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