現在の民法では、「男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。」と定められている。
現在多くの人がこれを差別的な制度であると考えている。
しかしどう是正するかについては、意見が分かれる所である。
両性とも18歳からとした場合のメリットは、数多くの諸外国と足並みを揃えられる事である。
16歳からとした場合のメリットは、制度の改変期の若夫婦の処遇で悩まなくて済む事と、少子化対策になる事である。
どちらもそれぞれ魅力的ではあるのだが、私は敢えて「両性とも17歳から結婚出来るように変えよう!」と唱える。
有名な法の改正には、人々の意識を変えるという象徴的効果がある。そしてこの民法第731条の改正論も、実際にこの法が存在するから困っている誰かを救うという側面よりも、国民に性の平等意識をより強く植え付けるためという側面が強い。
それならばいっそ、目先の小さな利便性をとやかく比較するよりも、平等意識を根付かせるための宣伝的効果の度合いを比較した方が良いだろう。
以上により、一方の性が長年従っていた制度にもう一方の性をも従わせる形での改正ではなく、互いに歩み寄った形での改正こそが、人々の平等観を刺激するという最大の目的に最も資すると考えた次第である。