ウルトラマンの「変身時間三分間」という設定について色々考えた。

 『ウルトラマン』の作品世界の外部で出た設定本等では、ウルトラマンの変身時間は三分間とされており、この設定はほぼ常識化されている。「カラータイマーが点滅を開始すると残り時間は三十秒だ」という設定もまことしやかに流布されている。
 しかし実際に『ウルトラマン』を視聴してみると、ウルトラマンが三分以上戦った事例は数多く見出せるし、カラータイマーの点滅が始まってから数分間戦った事例も見出せる。
 この件について、いくつか仮説を立て、検証してみた。
仮説1 設定自体が嘘。
 身も蓋もない説だが、それだけに強力である。
 強いて弱点を探すならば、アントラーとの戦いの中で科学特捜隊員から発せられた「あと30秒」という発言の合理的説明が難しい事である。
仮説2 戦闘場面の大半はスローモーションである。
 視聴者の目に映る戦闘場面がスローモーションだとすれば、映像が三分以上続いても設定とは矛盾しない。人智を超えた光の巨人が、実際は物凄い速さで戦っているというのは、非常に魅力的な仮説であった。
 しかし子細に映像を確認してみると、1G下の戦闘でも、自由落下の速度・加速度が速過ぎた。自由落下に注目すると、ウルトラマンがまるで2メートル弱の生物に見えてくる。
 ウルトラマン』の戦闘場面の大半は早送りされたものだったのだ!実際は巨大生物同士が緩慢に殴り合っているのを、無理に早送りして面白く見せているのが、『ウルトラマン』という作品だったのである。
仮説2−修正1 『ウルトラマン』の世界の重力は現実世界の数倍だった!
 これは仮説2を無理に擁護するために一応作った説である。
 ハヤタを中心に描かれる普段の人間達のドラマにおける自由落下の速度を検証すれば、瞬時に破綻する説である。
仮説3 「分」や「秒」の指す意味が我々の世界と違う。原因はフランス。
 重力が現実世界とほぼ同じであるなら、「分」や「秒」といった単語の指す意味が現実世界と異なっているか、少なくとも複数の意味を持っていると考えれば、設定と映像の齟齬を何とか回避出来る。同じ単語で示される単位が複数の意味を持つというのは、現実世界でも「トン」等において見られる現象である。
 『ウルトラマン』の世界でフランスが強大な力を持っている事は良く知られている。科学特捜隊の本部もフランスにある。そして日本支部はその権威を笠に着て、やりたい放題をしている。例えば第34話では、隊員に私物を届ける際に高価な航空兵器を使用したり、自衛隊への連絡を怠って独自方針でスカイドンへの対策を施した結果被害を拡大してしまったりと、彼等の暗黒面が描かれている。これはもう、事実上フランスによる過酷で理不尽な支配を受け入れているのと同じである。
 フランス革命歴の1秒は現代の1秒よりも短いが、平行世界において何らかの理由で強大化したフランスがそれとは別種の時間の単位を全世界に押し付けてくるというのは、十分に有り得る。
 ウルトラマンの活動時間は三(仏)分、カラータイマー点滅後は三十(仏)秒」。この設定ならば、映像における時間の問題とそれに付随する重力の問題を、ほぼ完全に説明出来る。

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