『BLASSREITER』(ブラスレイター)全話視聴計画(第7〜10話)

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第7話憎悪の果てに
 前回でゲルトが完全に死んだというのに、オープニング映像は相変わらずゲルトを主役に据えたままである。
 マレクとアマンダが実の兄弟ではなかった事が判明する。施設から引き取られるまで、彼の姓は"Yildrim"だったとの事。個人的にはトルコ系の印象のある姓である。
 一方、ヨハンの妹の名が"Katarzyna"で弟の名が"Tadeusz"である事も判明する。これはほぼ確実にポーランド系であろう。
 ドイツの苛めっ子達が、マレクを殴る事を条件にヨハンを同胞として迎え入れたのは、こうした出身国の差異もあったものと思われる。
 ヨハンはマレクを裏切ってしまった件への罪悪感もあり、自殺する。ヨハンの母は、残った二人の子供に少しでも楽をさせてやりたいという思いから、校長先生に買収される事を選び、ヨハンの死の原因は苛めではなかった事にされてしまう。
 神への信仰や話し合いという手段の有効性を語り続けるアマンダに対し、マレクはやはりアマンダには差別の実態は理解出来ないのだと悟る。そしてゲルトを融合体に変えた謎の科学者の誘いに乗ろうとする。
 またこの科学者の活動により、ブルーの正体がジョセフだとXATにばれる。
第8話 僕はもう弱者じゃない
 XAT隊長のウォルフが、ジルとの戦いの際に感染していた事が判明する。謎の科学者は、融合体化するという事は進化するという事であり、次の時代に生き残れる可能性がある存在に選ばれたという事だと、ウォルフに吹き込む。謎の科学者はそのついでに、ジョセフは融合体を見境なく攻撃する存在だという嘘の情報をウォルフに信じ込ませ、XATがより激しくジョセフを襲うよう仕向ける。
 この会話の中で、遂に「ブラスレイター」という単語が登場する。謎の科学者によれば、人類から進化した融合体の中でも更に選ばれし究極の存在がブラスレイターであるとの事である。
 マレクは謎の科学者からもらった薬で融合体となり、その力で苛めっ子達を無残に殺害する。そして監視カメラのせいですぐに正体もXATにばれる。
 ジョセフはマレクを止めに来るが、マレクをXATからの狙撃から庇って負傷し、再びマレクに介護される立場となる。
第9話 力の価値、力の意味
 マレクはジョセフを連れて廃墟の教会に逃げ込む。ジョセフのバイク「ガルム」を操っていた人工知能エレアは、ガルムがXATに発見される事を恐れ、二人を置き去りにしてガルムを更に別の場所へ移動させる。
 ここでマレクは徐々に自分が昼に行った粛清への罪悪感を高めていく。
 そこへ真の黒幕であるザーギンが登場し、二人を痛めつける。ザーギンの目的は二人を殺す事ではなく、瀕死の打撃を与える事で二人が更に強い存在に進化する可能性をもたらそうとするものであった。
 ザーギンの独白やジョセフとの会話から、ザーギンの部下の謎の科学者の名前が「ベアトリス」である事や、ジョセフの姉の名が「サーシャ」でおそらくは故人である事や、昔のザーギンは善人であったらしい事などが、次々に明かされていく。
 マレクを心配するヘルマンとアマンダは、独自の手法でマレクの居場所を突き止め、ザーギンに痛めつけられたマレクとジョセフを保護する。
第10話 陰謀の中で
 オープニングの画像が漸く変わる。レースの大会の部分が、バイク型にも二足歩行型にも変化する新兵器の活躍の場面へと置き換わっているのである。
 しかしその後の部分はやはり第2〜9話のオープニングと同じであり、ゲルトはまだ主役級の扱いを受けている。
 冒頭、人工知能エレアが、XATの長官であるヴィクター局長と親しそうにしている。今までの彼女はXATに追われていたジョセフの相棒的存在だったので、ここで諸勢力の関係が今まで与えられていた情報からの想像を遥かに超えて複雑である事が予測された。
 前回XATに保護されたジョセフは順調に回復するが、マレクは脳死状態になる。アマンダとヘルマンは、マレクを救うため、同じく融合体であるジョセフの研究の進展を願う。しかし突如としてジョセフの別の研究施設への移送がヴィクターから告げられる。
 XAT隊員のアルとブラッドは、融合体発生の黒幕と局長が政治的取引をしたという仮説を、アマンダ達に話す。これでますますアマンダ達は上層部に不満を持ち、科学班の不満分子と組んで独自の調査を開始する。この調査においてアクセスした機密情報の中には、「ブラスレイター」に関する謎のレポートもあった。
 しかしすぐにヴィクターに見つかってしまい、二人は拘束される。
 二人が抜けて弱体化したかに見えたXATであったが、増設された第三班がオープニングにも登場した新兵器「パラディン」に乗って現れたので、デモニアックの掃討は今まで以上にスムーズに進む。
 第三班にはブラッドの昔馴染みのレーネがいて、今後の人間関係の波乱が予測される終わり方をしていた。レギュラーでありながら今一つ目立たなかったブラッドだが、ヘルマン・アマンダの退場とレーネの登場で、急速に話題の中心になっていく。
 ウォルフ隊長は融合体と化していく過程での体調不良に悩むが、周囲に正直にそれを打ち明けられないため、ますますベアトリスへの信頼を強めていく。これは本人の心の弱さの結果でもあるのだが、同時にまた、融合体であればデモニアックだろうとそうでなかろうと次々に排除の対象としていく世間の風潮にも原因がある。マレクとその関係者の退場で差別の問題は表面的には語られなくなったが、物語の背景として隠然と影響力を奮っていると言えよう。
ブラスレイターパーフェクト ピース ガルム

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