「許すな痴漢!  警視庁」を許さない。

 痴漢に関するネット上の議論の大半は、痴漢の被害それ自体に関するものか、冤罪をめぐる種々の問題に関するものか、「痴漢は犯罪です」が日本語としておかしくはないかというものかの、どれかである。
 だが本日私が指摘する問題は、それらに負けず劣らず重要な問題であると自負している。今日までこれが事実上見逃されてきた事は、私の感覚に照らす限りでは異常である。
 本日私は東京都内のある駅で、電光掲示板を何気なく眺めていた。
 すると「許すな痴漢!」という文言が流れてきた。客に命令口調で思想的主張をするとは、随分偉そうな鉄道会社だと思ったが、所詮は私人同士の関係の中での事件だと思い込んでいたので、心の広い私はおおらかにこれを許していた。
 ところがその一瞬の後、文責として「警視庁」と書かれていた。
 これはもう流石に許せない。
 公権力が法律の根拠無く、市民に対して、内心の自由を侵害する命令をしてきたのである。
 私は警視庁のトップが謝罪するか、ついうっかりこの件を忘れるその日まで、絶対に許さないだろう。