一介の私人が韓国で土下座したことを問題視するなら・・・

 私は一国の首相にもプライベートタイムは存在して良いと考える立場なので、首相が靖国神社に参拝しても批判した事は無かった。
 一方で、首相級の公務員に私的な時間は存在しないという立場も一つの考え方だと思っているので、そういう立場の人が首相の靖国参拝を批判する事自体を批判した事も無かった。
 ただし、立場の一貫性は要求する。「首相と同じ程度に偉い両院議長と最高裁判所長官の勤務時間外の宗教活動にも、貴方はちゃんと興味を持っていますか?」と、時々聞く。
 そして本当に賢い左派の人士はこの程度の質問には動じない。様々な回答を理性的に寄せてくれる。例えば「個人的には興味が在るのだが、マスコミが調べてくれず、私にも取材能力が無いので、当座は後回しにしている。」等。
 この質問に狼狽したり、嫌がらせだと思い込むのは、自分では何も考えずに付和雷同していた末端の連中である。
 
 この件と密接に絡み合い、しかも似た様な質問を今度は右派にぶつけたくなるような問題が、最近起きた。
 
 最近、首相を経験した事のある一介の私人が、韓国で土下座をした事が問題視されている。
 私は首相経験者であれ私人は私人として扱うべきだと考えているので、そういう人がどの国で何をしようが、ニュースにする事自体からしておかしいと考える立場である。
 ただし、首相経験者を準公人として扱うべきだという立場にも、一定の理解は持っている。
 しかし、もしもその様に首相の地位を離れてから数年経過したした人物の活動に対して一国の代表に準ずる意味を与えるのであれば、首相の勤務を離れてから数時間か数日しか経過していない人物が私的な時間に行った宗教行為は、尚更一国の代表者としての行為に準ずるものとして理解されるべきだという事になる筈である。
 
 「首相の勤務時間外の宗教活動がニュースになる事自体がおかしい」という点で私と普段は連帯関係にある人士には、この元首相問題でも連帯するか、あるいは元首相だけを問題視しつつも私の指摘を巧みに避けるか、そのどちらかの姿勢を見せて貰いたいものである。